SUPER FORMULA LIGHTS #1,#37 第1/2/3戦 レースレポート

開催サーキット 富士スピードウェイ レーシングコース(4.563km)
日時 4月3日(土) 4月3-4日(土/日)
来場者 7,800人 7,800/11,300人
天候 曇り時々晴れ・ドライ 曇り時々晴れ・ドライ / 曇り・ドライ/雨・ウエット
気温 17-18℃ 18-18/16/15-14℃ /
路面温度 29-34℃ 26-24/21/17-16℃

予選:レース内容

世界中で依然としてコロナ禍は収束していない中で、シリーズプロモーター、主催者、そして全ての関係者の努力と協力によって2021年のスーパーフォーミュラ・ライツの開幕イベントを迎えることができた。今シーズンは、元F1ドライバーを父に持つジュリアーノ・アレジ(36号車)と昨年の全日本F4選手権チャンピオンの平良 響(37号車)そして、昨年に引き続き小高一斗を含めて3台の体制で戦うことになった。しかし、小高は急遽スーパーフォーミュラにスポット参戦することになり、代わって野中誠太(1号車)がステアリングを握った。トリプルヘッダーで行われる今回の第1戦の3番手グリッドを野中が、第2戦の3番手グリッドをアレジが獲得した。平良は5番手グリッドから決勝をスタートすることとなった。第3戦のグリッドは、第1戦の結果で決定される。

●トリプルレースの場合、予選のベストタイムで第1レース、セカンドベストタイムで第2レース、そして第1レースの結果によって第3レースのグリッドが決定される。
●1セット目のタイヤで平良は1分34秒492でその時点で3番手につけていた。野中は、1分34秒786で5番手、そしてアレジが1分34秒695で6番手につけていた。
●一度ピットインして、2セット目のタイヤをセットしてコースイン。ラバーグリップが乗り、コースコンディションが良くなる状況の中でどれだけタイムアップできるか注目された。1分33秒台に突入しなければ、グリッドの上位獲得は望めない状況だった。
●野中がコースインして5周目に1分33秒台に突入し第1戦の3番手をゲット。アレジは、野中のタイムにわずかに及ばず4番手。
●アレジは、最終アタックラップで再び33秒台に突入し、セカンドベストタイムで第2レースの3番手グリッドを得た。
●平良は、ベスト、セカンドベストともに5番手だった。

DriverCar No.Qualifying for 1Qualifying for 2
野中
誠太
1P3 1’33.688P4 1’34.043
平良
371’33.886P5 1’34.069

予選:ドライバー・エンジニアコメント

野中 誠太

1号車ドライバー

スーパーフォーミュラ・ライツ初の予選で、1セット目のタイヤでは練習走行とのコンディションの違いに戸惑う部分もあったのですが、2セット目ではなんとか上手くまとめてタイムを出すことができました。自分では、初めてにしては良かったかなと思っています。コンディションの違いがありますから、1セット目のタイムも、それなりかなと判断しています。そしてピットインしてセットアップを変えてもらいました。もう少しコーナーを曲がりやすい、曲がってくれるセットアップにしたのですが、結果として曲がりすぎる状況になってしまいました。これまでにもコンディション、セットアップの違いは経験しているのですが、オーバーステアぎみのマシンでもドライビングで対応して、なんとか走行できました。第1戦の3番手グリッドを確保できましたが、前に居る2台とのタイム差は、練習の時よりも縮まっているので、決勝セットアップのロングランには自信がありますし、まずはスタートをしっかり決めて楽しんでレースができたらと考えています。昨年までのF4と比べてスタートの操作は複雑になるのですが、なんとか上手く対処したいです。

平良 響

37号車ドライバー

前日の練習走行と比較してコースの状態がとても悪くてびっくりしました。攻めれば攻めるほどオーバーランしてしまうほどでした。1セット目から2セット目にタイヤ交換して、セットアップも変えて対応したはずだったのに症状は改善されませんでした。セッションの後半は、ラバーグリップも乗ってきて、コースコンディションは良くなったので、タイムアップできたのですが、マシンの状況はあまり良くなっていないので、順位をアップできませんでした。予定としては、2セット目のタイヤでウォームアップ後、3周目、4周目でタイムを出したかったのですが、5周目にタイムが出てしまったという感じです。ベストタイムは、33秒台に入ることはできたのですが、あとは34秒台。自分の実力を出すことができていないという悔しさがいっぱいで、残念でしょうがないです。決勝に向けていろいろ修正を加えて、スタートからビシッと決めて行きたいと思います。走り出しのコースコンディションの違いは予想はしていましたが、予想以上に違っていて<あれっ?>という感じでした。

吉武 聡

チーフエンジニア

うちのチームの前にライバルが2台居るのは、練習走行と同じ状態ですね。これをなんとか崩したかったですね。チャンスはあるかなと希望は持っていたのですがダメでした。前日の練習走行と比較すると、路面温度がかなり高くなって、タイヤグリップも低下して、タイムは落ちるだろうという予測の中でマシンセットアップを行なっています。そこでチャンスを見出せたら良かったのですが・・・。エンジニアリングサイドからは、コースインして3周目、4周目にベストタイムを出して欲しいのですが、まだ3人ともにそれができていないので、1セット目では周回を重ねさせて、じっくりタイヤをウォームアップさせてからタイムを出すという状況ですね。しかし、周回数が多いとタイヤのピークグリップが落ちてしまうので、少ない周回の中でタイムを出すことが課題です。平良と野中は、まだF4の感覚が残っているのか、多くの周回の中でタイムを出すという感覚が抜けていないように感じます。ライツは違うので、早くそれができるようにしてもらわなくてはなりません。決勝ペースのロングラップでは、野中が練習走行で好タイムをマークしているので、期待しています。

山田 淳

監督

今シーズン開幕の展開は、これまでのトムスとは異なるものになります。小高一斗が小林可夢偉選手の代役としてスーパーフォーミュラのステアリングを握ることとなり、野中誠太が1号車に、37号車の平良 響、そして、36号車にジュリアーノ・アレジと全てスーパーフォーミュラ・ライツのルーキードライバーというラインアップです。もちろん優勝を目指して、毎レース臨みますが、焦らず経験を積んでもらい、勉強してもらって実力をつけてもらうシーズンと考えています。まずは、予選のアタック、タイヤの使い方から勉強です。

決勝:レース内容

2021年の開幕イベントは、3レースが行われた。予選と同日に第1戦が行われ、4番手スタートのアレジがスタート良くポジションを上げて3位へ、そのままポジションをキープして日本におけるデビューレースで3位表彰台に立った。翌日の日曜日の最初のレースとして行われた第2戦では野中が3位表彰台に立ち、彼にとっても初参戦のスーパーフォーミュラ・ライツのレースで初表彰台を獲得した。平良はトラブルで出走できず。最終レースとして行われた第3戦のスタート前に雨が本降りとなり、グリッド上で各車レインタイヤに交換し、セッティングもウエットセットに変更した。アレジがスタートで2番手に上がり、途中雨が小降りになってペースダウンした時に3位へ後退し、そのままの順位でゴール。2度目の3位表彰台を獲得した。平良は、アレジに0.006秒差まで迫ったが4位フィニッシュとなった。

第1レース

●第1レース3番手スタートの野中は、6番手に後退。終盤に他車と接触して10位フィニッシュとなった。
●野中が後退したそのポジションにアレジ、その背後に平良がつけて、3位、4位となった。

第2レース

●第2レースでアレジは、スタートポジションをキープして前の2台に迫っていった。しかし、11周目にスピンして、6位でフィニッシュ。野中はアレジの後方を走行、アレジが後退し、3位へ順位を上げた。
●平良は、グリッドに向かう途中でオイルポンプトラブルが発生、グリッドにつけず出走できなかった。

第3レース

●ウエットコンディションの第3レース。3名ともに初のレインタイヤでの出走となった。序盤でアレジ、平良が順位をひとつづつ上げて2位、3位を走行。途中雨が小降りとなってペースダウン。再び雨が降り始めた時に後方から追い上げてきた1台にパスされて、3位、4位でフィニッシュ。野中は6位でフィニッシュした。

DriverCar No.Rd.1 / Fastest LapRd.2 / Fastest LapRd.3 / Fastest Lap
野中
誠太
1P10 1’34.435P3 1’34.431P6 1’46.232
平良
37P4 1’34.494DNSP4 1’45.997

決勝:ドライバー・エンジニアコメント

野中 誠太

1号車ドライバー

スーパーフォーミュラ・ライツのスタートは、FIA F4と比べて、複雑で不安いっぱいで臨んだ第1戦のスタートでした。そして、失敗。<ああ、そうなるよな>というダメなスタートで順位を下げてしまい、集団の中で走行してダウンフォースが抜けるという新しい経験もしました。バトルの中で河野選手をギリギリのところでパスできたのですが、そこで少しヒートアップしてしまい、その後に神選手と接触してしまいました。もっと落ち着いて対処できたら違った展開になったのではと反省しています。第2戦のスタートはエンジニアさんに事細かに教えていただいて、ちゃんとスタートできました。結果として3位になることができましたが、前を走行しているマシンとはタイム差もあるので、納得できないです。今回はスポット参戦ですが、この経験をF4にも生かすことができると思います。第3戦のウエットレースは、4輪レースでは初めての経験でした。こうなったらウエットレースを楽しんでやろうとスタートしました。途中で雨が小降りになって、コースが乾いてきたり、また降ってきて濡れたりという難しいコンディションでしたが、トムス勢の中では、良いペースで走れたかなと思います。

平良 響

37号車ドライバー

第3戦は、難しいコンディションの中で初めてのウエット走行でした。前のジュリアーノに迫って行ったのですが、本当にわずかの差で表彰台に立つことができませんでした。それが、今のボクの実力なのかなと思います。第2戦はトラブルでスタートできなかったですが、他の2レースでは、良い緊張感の中で落ち着いてスタートを切ることができました。第3レースでは雨の量が多い時には良いペースで走れていたのですがコースが乾き始めて、ペースダウンしてしまいました。その後にまた雨が降ってきたのですが、その時にはタイヤが摩耗してしまっていて順位を落とし、そして最終ラップでジュリアーノのインを挿したのですが、クロスラインで抜き返されてしまいました。お互いにリスペクトしながらチーム内でもバトルできたのは本当によかったですね。次戦は得意の鈴鹿です。F4では鈴鹿で3連勝しているので、その前にもっとマシンのことを勉強して、シミュレーターもいっぱいやって、万全の体制で臨んで結果を出せるように頑張ります。

吉武 聡

チーフエンジニア

予選ではポールポジションからコンマ4秒くらい離されてしまっていましたが、決勝になればほぼ同等のペースで走れていたので、予選結果が決勝でも差として結果に出てしまったということですかね。最後の第3レースは、雨の中で1台がそのコンディションで速くて、パスされてしましましたが、平良は、初めてのウエットレースでトップグループと同じ、時折それよりも速いタイムで走れていたので、予選の一発の速さを身につければ、決勝でも良いレースができると思います。野中は、ピンチヒッターとして参戦し、まず決勝のスタートで戸惑っていたのですが、第2レースではうまくスタートを切ることができ、アレジが後退して初表彰台を獲得してくれました。この先どれだけ参戦のチャンスがあるかどうかは分かりませんが、近い将来、彼もレギュラーでこのスーパーフォーミュラ・ライツに参戦することになると思われるので、この経験を生かして欲しいですね。今回、富士スピードウエイでのイベントでは、予選でタイムを出すべきラップにタイムを出すという課題がクリアできなかったことが一番の反省点ですね。

山田 淳

監督

トムスとして優勝争いに絡めなかったというのは、本当に残念です。しかし、3人のルーキードライバーにいきなり優勝を望むというのは、厳しいですから、この状況を受け止めて、上を目指すしかないですね。その中でアレジが2回3位表彰台に立てた。第2レースは、自分のミスでチャンスを逃してしまいました。小高が戻って来れば、状況は変化するでしょう。小高は参戦するレースで全て勝つのがミッションです。そして、アレジ、平良がそれに続いてくれることができればと考えています。

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