SUPER FORMULA 2022 第8戦 レースレポート

開催
サーキット
モビリティリゾートもてぎ レーシングコース(4.801km)
日時 8月21日(日) 8月21日(日)
来場者 4,800人 4,800人
天候 曇り・ドライ 晴れ・ドライ
気温 27-28℃ 31-30℃
路面温度 32-34℃ 45-44℃

予選:レース内容

2レースが行われるもてぎラウンド。第8戦の予選は、第7戦と同じく午前に行われ、午後に決勝レースというイベントフォーマット。前日、土曜日の雨が残るのではないかという心配があったが、曇り空の下で予選を迎えることができた。路面も予選が始まる9時15分にはドライとなっていた。A、Bグループに分かれて行われるQ1。前日の雨によってコースのコンディションは、ラバーグリップが洗い流されて、新たな路面状況での予選アタックとなった。しかし、 Kuo VANTELIN TEAM TOM’Sの36号車、37号車はともに苦戦。Q2進出を果たせずに終わってしまった。前日、各グループでアタック前にコース上で各車が接近して混雑した結果、タイヤのウォームアップが十分に行えなかったことを考慮して、今回は間合いをとってコースイン、アタックを行ったのだが、アレジ18番手、宮田は19番手から決勝をスタートすることとなった。

●アレジがAグループ。宮田がBグループでQ1に出走した。
●Q1Aグループでは開始3分を過ぎて一台がコースオフして、赤旗が提示され中断。残り時間6分25秒で予選が再開された。
●再びコースインしてアタックををかけたアレジは、Q1突破までに 0.28秒及ばず。
●Q1Bグループで出走した宮田の状況は、アレジよりも状況は悪かった。
●アタックをかけてもタイムが伸びず、なんとグループの最下位10番手で終えてしまった。
●宮田、アレジ共にQ2には進めず、最終予選結果はアレジ18番手。宮田19番手となった。

DriverCar No.Q1Q2
ジュリアーノ アレジ3618 1’31.988
宮田 莉朋3719 1’31.323

予選:ドライバー・エンジニアコメント

ジュリアーノ・アレジ

36号車ドライバー

前日に比較すれば状態は良いと思うけど、ボクが望んでいるマシンのバランスにまだなっていない。それによって今回もQ1を突破できないという結果になってしまっている。第7戦の予選は、全くタイヤのウォームアップが行えなかったので、今日はちゃんとコースインのタイミングを考えていたけど、どうもバランスがしっくりこない。根本的にシーズンの初めから抱えているマシンのバランスの悪さが、もてぎでは強く出てしまっているように感じる。また後方からのスタート。決勝の天候もどうなるかわからない。もし雨なら大きく順位アップするチャンスもあるかもしれない。あとは、作戦面。SCも入るかもしれない。今回も頑張って順位を上げるしかない。

宮田 莉朋

37号車ドライバー

最悪の予選となってしまいました。グループの最後尾という絶望的な結果です。第7戦からセッティングを改善する意図で変更しているのですが、全くパフォーマンスが良くなっていないというのが現状です。マシンのセッティングのベースが、もてぎが不得意でパフォーマンスが良くないのはわかっていたのですが、ここまで悪いとは思っていませんでしたね。他のコースではポールポジション争いもしているし、常に上位で予選を終えられてきているので、ここで最下位争いをするのは残念です。もてぎのセッティングは、根本的に見直さなければこの状況を抜け出せないなと感じています。

大立 健太

36号車エンジニア

対処はしているのですが、今回のQ1予選でもアンダーステア傾向が強いという状況です。アンダーの原因がタイヤのウォームアップが不十分で、タイヤのグリップが発動してくれないのか、セッティング自体がまだアンダーなのかは、細かく分析できていないです。セッティングは、オーバーステア方向に振ってきているのですが、それでもその効果が出ていないのが何故なのかが分かっていません。36号車も37号車もセッティングに大きな違いはないので、莉朋も同じような結果でしたし、原因は同じようなところにあるのかも知れません。セッション毎に路面温度も違いますので、タイヤとのマッチングも大きな要素ではあります。

小枝 正樹

37号車エンジニア

セッティングの変更が裏目、裏目に出てしまっていますね。パフォーマンスが足りていないというよりも、マシンのセッティングが逆方向にいってしまっているという意識もあります。莉朋も若干のミスはあったと言っていますが、トップからコンマ6秒も離されるようなミスではなかったと思われるので、彼のドライビング云々ではなくて、マシンに問題があって、Q1グループで一番遅い結果になってしまいました。もてぎに来て、走り出しから解決しきれていなかった点を対処したら、悪い方向に入ってしまい、現状はとてもシビアな状況に陥ってしまっています。ベースセッティングを再度見直して、決勝に臨みます。

決勝:レース内容

全国的に不安定な天候に悩まされている。第8戦のもてぎも、前日のように午後に突然の雨が降るのではないかという予測もあった。しかし午後に進むにつれて、一気に夏が戻ってきて、強い日差しが差し込んだ。グリッドの後方からスタートするKuo VANTELIN TEAM TOM’Sの2台のうち、36号車がグリッドに着いてから燃料系統に不具合が発見されて、ピットに押し戻すことになった。修理を終えてグリッド最後尾(21番手グリッド)について決勝をスタート。ジュリアーノ・アレジは1周目から積極的な展開に持ち込み、1周目に16位、2周目には14位、3周目に13位まで一気に順位を上げていた。一方の37号車、宮田莉朋は、苦しい展開を強いられていた。アレジは、ポイントを獲得できる10位以内の可能性が出てきたが、再び燃料系統のトラブルが発生したためにピットイン。そのままリタイヤという残念な結果となった。宮田は14位でレースを終えている。

●18番手グリッドに着いたアレジだったが、その時点で燃料系トラブルが発見されてしまった。グリッド上で修理することはできず、ピットに押し戻すこととなった。短時間で修復でき、グリッドに着くことが許されたが、位置は最後尾。
●アレジは、最高のスタートを切って、どんどんと前車をパッシング。最後尾から5台を抜いて15位。3周目には13位へ。タイヤ交換義務をミニマム周回の10周で行った際には12位まで上り詰めていた。快調なペース、その勢いは第2戦富士以来、久々ポイント獲得圏内でのフィニッシュは確実と思われた。
●ピットイン以降もアレジのアグレッシブなレース展開は続き、12位まで順位を戻した。しかし、再度燃料系のトラブルが発生して力なくピットへ。エンジン本体への悪影響が及ぶリスクを回避してリタイヤを決断せざるを得なかった。
●宮田のレースは終始困難だった。後続のグループで順位を入れ替えながら、ひたすらゴールを目指し周回を重ね、15位でコントロールラインを通過するのが精一杯。前でフィニッシュした1台が5秒のペナルティを科せられたため、最終結果は14位となった。

DriverCar No.Race / Fastest Lap
ジュリアーノ アレジ36R/1’34.762
宮田 莉朋37P14 / 1’34.629

決勝:ドライバー・エンジニアコメント

ジュリアーノ・アレジ

36号車ドライバー

決勝に向けて行ってもらったセッティングの変更は、これまでで最高のバランスだった。スタート前にトラブルが発生してしまい、一番後ろからのスタートだったけど、ダッシュも決まって、一気に順位アップできたのは最高だった。ようやく自分が求めていたマシンのバランスを見出せるようになった。雨のウエットコンディションとは異なるドライコンディションでも速さを示すことができて嬉しい。最後はまたトラブルが発生してしまって、ピットに戻るしかなかったのは残念。走り続けていたらポイントは獲得できたのかな。今回のセッティングをベースに、最終イベントの鈴鹿では、もっと良い結果を残してシーズンを終えられたら最高だ。

宮田 莉朋

37号車ドライバー

決勝に向けてセッティングをいろいろと変えていたのに、何も上手く行かずにとても低いパフォーマンスで、ただただ周回しているというレースでした。原因は現時点では詳しく分からないし、昨年のもてぎのように、セッション毎にパフォーマンスが向上するということもなかったし、本当に残念な週末でした。タイヤを交換して、そのグリップは高まるのですが、グリップが落ちてくればそれと並行してペースが下がるという状況で、これまでのレースとは全く違っていました。もう最終になりますが、鈴鹿大会ではもてぎの不調を引きずらないように、問題点を解決して、予選から上位を目指したいと思います。

大立 健太

36号車エンジニア

トラブルが発生してしまい、グリッドからピットに戻り、最後尾からのスタートとなりました。セッティングの方向性を変えて臨んだ決勝は、それが功を奏した結果として、スタート直後からものすごい順位アップが実現できました。ようやくという結果ですね。最上位で12位まで上がれたので、9台抜き!ですね。ウエットの第7戦と同じ順位アップ劇でした。リタイヤは非常に残念でしたが、走行を続けるとエンジンを壊してしまうリスクがあり、絶対に避けなくてはならなかったので、やむを得ない判断でした。しかしながら鈴鹿に向けてのセッティングについて、一部好材料を得られたと思っています。鈴鹿では予選から上位を狙いたいです。

小枝 正樹

37号車エンジニア

決勝に向けて、予選での問題点を解決し、アジャストしたのですが、それがうまい方向へは行ってくれなかったという結果でした。スタートからゴールまで苦しい、厳しい走行を強いてしまったのは申し訳なかったです。金曜の練習走行から最後の第8戦決勝まで全く思うように走らせられなかったですね。もてぎに関しては、チームとしてベースセッティングの考え方を根本的に変えなくてはなりませんね。次戦の鈴鹿では、もてぎのような状況にならないようにしたいです。前回の鈴鹿では予選で速さを示すことができていますから、そこへ戻して決勝でも良い結果で終えられるようにしたいと考えています。

舘 信秀

チーム監督

前日の第7戦のような雨も心配されたけど、幸いにも予選からドライコンディションとなった。しかし、我がチームにとっては最悪の予選、決勝結果だった。最終イベントの鈴鹿2連戦では、なんとか巻き返したい。IMPULチームのトップ争いは本当に素晴らしいバトルだった。星野監督おめでとう。最終ラップまでの攻防は、見入ってしまう凄さがあった。だた、それを目の当たりに見ていただいた観客が5千人に満たないことを考えると、この国内トップフォーミュラレースの魅力をもっと知っていただく努力を我々チームも行わなくてはならないと強く感じた。こんな素晴らしいレースをもっと多くの方に見ていただかなければならない。

スポンサー