SUPER FORMULA 2022 第10戦 レースレポート

カーナンバー 予選 決勝
#36 11位 17位
#37 2位 3位
開催
サーキット
鈴鹿サーキット(5.807km)
日時 10月30日(日) 10月30日(日)
来場者 10,000人 10,000人
天候 曇り時々晴れ・ドライ 晴れ・ドライ
気温 17-17℃ 21-20℃
路面温度 20-23℃ 32-30℃

予選:レース内容

午前中に予選、午後に決勝というイベントフォーマットで行われる2レース制の第21回JAFグランプリの第10戦。今シーズンの最終戦を迎えた。朝、サーキットの上空を薄い雲が覆っていたために、前日の第9戦に比べ路面温度が低い中で予選が開始された。Q1のAグループで出走したKuo VANTELIN TEAM TOM’Sの36号車、ジュリアーノ・アレジが、前日から一気にタイムを縮めて4番手でQ1を突破。彼にとってQ2への進出は、開幕イベント、富士スピードウエイの2連戦以来のことだった。37号車の宮田莉朋は、無難にQ1を4番手で突破。そして決勝のスタートポジションを決するQ2で、宮田はポールポジションを目指してアタック。セクターごとのタイムを縮めることに成功。しかし、連続ポールポジションを獲得した野尻智紀選手に、僅か0.04秒及ばず2番手となった。アレジは、11番手のグリッドを得て、久々のグリッド中段から決勝をスタートすることとなった。

●第9戦と同じくアレジがAグループ。宮田がBグループでQ1のタイムアタックを行った。
●前戦第9戦でタイヤのグリップ感少なく、Q1で敗退をしてしまったアレジは、第9戦と比較して0.5秒のタイムアップ。グループ4番手のポジションを得て、Q2進出を果たした。2022年シーズンの開幕イベントにおいてQ1を突破した時と同じ、自己最高のポジションを得た。
●宮田は、Q1を4番手。Q2に向けては好感触を得ていたので、シリーズ初のポールポジションへ向けての準備は整っていた。
●宮田は、Q2の予選時間残り5分30秒を切ってコースイン。ウォームアップを終えて3周目にアタック。前日から微調整、変更したセッティングによってタイムアップ、ポールポジション獲得かと思われたが、野尻選手に0.04秒及ばなかった。今季4度目のセカンドポジション。アレジは、1分36秒台に突入することに成功して11番手のグリッドを得た。

DriverCar No.Q1Q2
ジュリアーノ アレジ36P4 1’37.316P11 1’36.953
宮田 莉朋37P4 1’36.731P2 1’36.043

予選:ドライバー・エンジニアコメント

ジュリアーノ・アレジ

36号車ドライバー

久しぶりにQ1を突破することができた。開幕戦以来だ。それだけで満足はしていられない。第9戦を終えて、エンジニアとディスカッションして、メカニカルの確認をし、同時に自分のドライビングを見直して、今日の予選に臨んだ。昨日はグリップ感が低かったけど、今日はグリップを感じられたのがタイムアップできた一番の理由かな。Q2でもさらにタイムアップできて、36秒台に入ることができたけど、トップグループからタイム差があることが悔しい。決勝は中段グリッドからのスタートとなる。トラブルなく、順位を上げて、今シーズンを締めくくりたいと思っている。

宮田 莉朋

37号車ドライバー

前日の予選、決勝の状況を分析して、セッティングを少しだけ変えてもらいました。そこにドライビングをアジャストさせた結果、タイムアップすることができました。鬼門となっていたセクター4のシケインも問題なくクリアできたと思います。しかし、僅差でまたポールポジションを獲得することはできなかった。結果は明らかで、まだ足らない部分があるということですね。昨日に続いて、TOYOTAエンジン勢では一番であることには満足ですけど、更なる向上が必要なことを再認識した予選でした。決勝は、スタートを決めることに集中します。

大立 健太

36号車エンジニア

昨晩はドライバーと、昨日の第9戦の予選、決勝の結果について徹底的に見つめ直し、分析をして、どうしたら良いのかを話し合った結果、今日のQ1突破につながったと思います。開幕の富士以来ですね。しかし、Q2ではタイムの上がり幅が少なくて、グループの11番手が精一杯でした。タイヤのウォームアップがまだ十分ではない部分があったり、タイヤのピークグリップの周にタイムをもっと上げられるようにドライビングを合わせ込む必要があると思います。第9戦はスタートが良かったので、今回もポジションアップを期待してます。

小枝 正樹

37号車エンジニア

昨日からリヤのセッティングを少しだけ変更しています。それがセクター3の全体ベストタイムに繋がっていると思います。また彼自身もドライビングの面で改善してくれたことで、第9戦の予選からコンマ2秒ゲインできました。しかし結果は、またしても野尻選手のタイムにほんの僅か届かなかった。決勝は、まずスタートでポジションアップすること。少なくともポジションをキープすれば、レースペースは良いので、優勝のチャンスを見出せるのではないかと考えています。今シーズンの最終戦で最高の結果を残したいですね。

決勝:レース内容

2022年全日本スーパーフォーミュラ選手権シリーズの最終戦、JAF鈴鹿グランプリの第10戦も秋晴れの好天に恵まれた。予選では肌寒さも感じられたが、午後になって一気に気温は上昇。セカンドグリッドからスタートした37号車、宮田莉朋は、1コーナーまでに順位を落として、4位に後退。前日と同じスタート直後の展開となってしまった。21台の集団が1コーナーを通過しようとしていた時、後方の1台がコースオフしてセーフティーカー(SC)が導入された。リタート時に宮田の直前にいたマシンが失速し、これで宮田は3位にアップ。36号車、ジュリアーノ・アレジは、序盤のペースが悪く、15位まで後退。展開を打開するためにミニマム義務周回数の10周を終えた時点でピットイン、タイヤを交換してレースに復帰。宮田は、レース後半にピットインする予定だったが、2度目のSCが入ったタイミングでピットインした。レースに復帰した時、順位は変わらず、3位をキープして最終戦を終えた。

●第9戦のスタート以上に宮田のタイミングは良く、2位を守って1コーナーに進めるかと思われたが、その後に再びポジションダウン。1コーナーの侵入時点で2台にパスされて4位となっていた。
●1コーナーで1台がコースオフしてすぐにSCが導入され、3周目にレースが再開。最終コーナー手前のシケインの立ち上がりで3位を走行していた15号車、笹原右京選手が失速、接近していた宮田は、接触をなんとか避け前に出た。レース再開直前の順位変動だったが、故意の順位アップではなく、ペナルティ対象とはならず3位へ。
●アレジは、スタートで順位をひとつ落としてしまった。リスタート後もペースが思うようにアップできずに15位まで落ちてしまったため、10周を終えてピットインし、ミニマム義務周回を消化してタイヤ交換後の順位アップを狙った。
●12周目のシケイン手前で、アレジは50号車の松下信治選手と接触、松下選手がコースオフ、クラッシュして二度目のSCが導入された。このタイミングで宮田はピットイン。3位でコースに復帰した。
●宮田は今季2度目の3位フィニッシュでドライバーランキング4位。アレジは17位でフィニッシュし、ランキングは20位で2022年シーズンを終了した。

DriverCar No.Race / Fastest Lap
ジュリアーノ アレジ36P17/1’42.509
宮田 莉朋37P3 / 1’40.549

決勝:ドライバー・エンジニアコメント

ジュリアーノ・アレジ

36号車ドライバー

久しぶりに予選が良かったのに、決勝では思うようなドライブができなくて残念だった。順位を落としてゴールするのは悔しかった。スタートで第9戦のようなダッシュができずに、集団の中でペースが上げられずにいたので、10周してピットインしてタイヤ交換。それでもペースは良くならなかった。松下選手との接触はタイヤ同士だったので、エアロパーツの破損はなかったようだった。シーズンを通して自分が描いているようなドライビング、セッティングができなかった。常に予選から決勝まで、ものすごくタイトな状況の中で戦うという経験をさせてもらった。できれば来シーズンはもっと上位で戦えるようになりたいと思っている。

宮田 莉朋

37号車ドライバー

タイヤが温まるまでは苦しかったですが、温まった後は良いペースで周回できたと思います。
スタートの瞬間は改善されて良かったのですが、大津選手、笹原選手にも1コーナーまでにパスされてしまいました。SC明けのリスタート直前で、突然、笹原選手が失速したのにはビックリしました。作戦としては第9戦と同じく、後半で勝負しようと思っていたのですが、2回目のSCが入った直後に仕方なくピットインしなくてはなりませんでした。これは自分にとっては不運でしたね。二度目の3位は良かったのですが、シーズンを振り返るとポジティブな要素もあり、改善すべき点もあり、来シーズンは勝てるドライバーを目指したいと思っています。

大立 健太

36号車エンジニア

予選後チェックを行って、クラッチに負担が多くなっていたようなので調整を行い、ギヤリングも変えて決勝に臨んでいます。その影響もあって、スタートのフィーリングが変わってしまい、第9戦と同じようなダッシュができずに順位を落としてしまったのかもしれませんね。作戦としては当初第9戦と同じと考えていたのですが、タイヤが温まってもペースが上がらず苦戦していたので、作戦を変えて早めにピットインしてもらいました。そこからもペースは思うように上がらず、接触もあり、順位を戻すこともできずにレースを終えてしまった。もっとマシンに慣れて、タイヤの使い方などが上手くなれば、もっと上の順位で戦うチャンスができてくるのではないかと思います。

小枝 正樹

37号車エンジニア

細かなデータのチェックはできていませんが、スタート自体は改善されていたと思うので、1コーナーまでの加速でHONDAエンジンに優位性があったのではないかと思う部分が大きいですね。そしてペースが上がってからは、好タイムを立て続けに出せているので、スタートで前に出られていたのならもっと良い順位でフィニッシュも可能だったと考えます。展開によっては勝てるチャンスも十分にあったと思います。莉朋は、今回の二連戦で常にTOYOTAのトップであったという点は高く評価ができると思いますし、彼は向上心が高いので、それに応えるマシン作りを続ければ、勝てると信じています。

舘 信秀

チーム監督

宮田莉朋がTOYOTAエンジンでは、予選も決勝も最上位であったことは、現在我々が置かれている状況の中で、最大限のパフォーマンスを発揮できているという結果だと思っている。しかし、今シーズンの野尻智紀選手とTEAM MUGENは速く、強かった。ドライバーとチームのダブルタイトル獲得おめでとうございます。今シーズンは、一気に若きドライバーを擁して戦ってきた。まだ多少の波はあるが、莉朋の成長は結果を出せるようになってきた。ジュリアーノもシリーズ中盤から苦しく辛いレースが続いたが、来季には飛躍があることを期待したい。今シーズン、チームを支え、応援していただいた皆様に感謝申し上げます。

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