2023 SUPER FORMULA 第9戦 レースレポート

カーナンバー 予選 決勝
#36 –位 –位
#37 4位 3位
開催
サーキット
鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)
日時 10月29日(日)
来場者 日曜25,500人
天候 晴れ・晴れ
気温 17℃・20℃
路面温度 23℃・29℃

予選:レース内容

36号車メンバーも手伝い、
総動員で宮田をサポート。
渾身のアタックで4番手につける。

 前日のRound8で大きなアクシデントに見舞われた笹原は、ドクターストップにより欠場。宮田の37号車のみが出走することとなった。それでも、宮田がチャンピオンを獲得できるように、36号車のメカニックとエンジニアが37号車チームをサポート。まさにTOM’S一丸となってシーズン最終戦に臨んだ。また、アクシデントにより損傷したコース設備も復旧され、予定通りRound9が行われた。
 Q1Bグループで出走した宮田は、前日の予選タイムを上回る1分37秒014を記録し、2番手通過を果たした。自身として全力を出し切る走りをしているが、ライバルとのタイム差がある状況。ここを逆転するべく、宮田はQ2でより攻めの走りに集中するものの、スプーンカーブ2つ目でクルマの姿勢がわずかに乱れるシーンがあった。なんとかコース内に留まって、タイム計測を完了したが、1分36秒817で4番手に終わった。

DriverCar No.Q1Q2
笹原 右京36
宮田 莉朋37P2(B Gr.)/1’37.014P4/1’36.817

予選:ドライバー・エンジニアコメント

宮田 莉朋

37号車ドライバー

ミスを恐れずに攻めていった。
決勝ではスタートをうまく決めたい。

Q1が終わってタイムを分析したら「これ以上はアクセルを踏み込んで曲がれない」というところまで攻めきりましたが、2番手タイムでした。チーム、ドライバーともに今あるパフォーマンスを100%近く引き出している状態でしたが、トップとは差がある状況で「これは走りで守ったらダメだな」と思いましたし、ミスを恐れずにアクセルを踏むしかないと思ってアタックしました。そうしたら、スプーン2つ目で少しクルマの後部が滑りました。ミスというよりは攻めた結果でした。

小枝 正樹

37号車レースエンジニア

ライバルの順位も考えると、
良い予選だったと思います。

スプーン2つ目で少しコースオフしかけて、その流れが続いたのか、セクター4も良くなかったので、0.3秒くらいタイムロスしていたのかと思います。とはいえ、やはりライバルは手強かったです。その中でもクルマの仕上がりは悪くなかったですし、トヨタエンジンユーザーの中では最上位を獲得できたので、良かったです。
決勝は野尻智紀選手を一番警戒しなければいけないと思うので、彼の前後でレースを進めることができれば、チャンスは出てくると考えています。

決勝:レース内容

抜群のスタートでチャンピオンを
争うライバルを先行。
3位でチェッカーを受け、
念願の初タイトルを獲得!

 14時30分から始まった決勝レース。4番グリッドから今季最終戦に臨む宮田は、スタートダッシュが一番の懸念事項と語っていた。最後のコースイン時もスタート練習を行うなど、入念に準備を進めた。それが功を奏し、今シーズンで一番の加速を披露。2コーナーでチャンピオンシップを争うライバルの外側に入り込み、3番手に浮上した。
 いつもはレース後半までピットストップを遅らせる作戦をとっているが、今回は相手の状況を読んで、先にピットストップを済ませることを決断。12周目にタイヤ交換を行うことで、2番手を走るライバルの逆転を試みたが、わずかの差で叶わず。その後は3番手ポジションを確実に維持するペースで周回し、そのままゴール。ライバルに8.5ポイント差をつけ、2023年のドライバーズチャンピオンに輝いた。TOM’Sとしては、2019年のニック・キャシディ以来、4年ぶりの戴冠となった。チームランキングでも、昨年の6位を大幅に上回る2位を獲得。好成績でシーズンを終了した。

DriverCar No.Race / Fastest Lap
笹原 右京36
宮田 莉朋37P3/1’41.377

決勝:ドライバー・エンジニアコメント

宮田 莉朋

37号車ドライバー

頂点に立つために何をすべきか、
常に考えていた1年でした。

スタートで順位を上げないと、チャンピオンの獲得は厳しいだろうと思っていました。1・2コーナーでは位置取りが良く、うまく順位を上げられました。レースペースは決して自信があったわけではなかったですけど、諦めずにベストを尽くせば、前のクルマについていけると思っていました。
チャンピオンを獲得でき、TGRをはじめ、チームやスポンサーの皆様、応援してくださるファンの皆さんに感謝しています。決して楽な1年ではありませんでしたが、頂点に立つために何をするべきかチームと話し合ってきました。最終的にチャンピオンが獲れたのは嬉しいですし、ホッとしています。

小枝 正樹

37号車レースエンジニア

残り10周は、後ろとのギャップを
常に気にして、ゴールを目指しました。

まずは、スタートで野尻選手の前に出られたことに尽きますし、彼のペースが想定していたほど速くなかったことも大きかったです。ピットストップに関しては、もともと早めに済ませようと考えていました。とにかく野尻選手の前にいればチャンピオンは獲れるということを意識して進めていきました。今回は36号車のメンバーがサポートしてくれて、他陣営の動きをチェックしてくれたことがとても助かりました。
Round3の優勝で自信をつけて以降、色々なカテゴリーで活躍をしている姿を見ると、今年の宮田選手は本当に強くなったと感じます。

舘 信秀

チーム監督

最終戦は、なかなかシビアなポイント差で、レース展開によっては2人のライバルにもチャンスはあったと思います。そういう意味でも、三つ巴の中で勝ち抜いたことは立派でした。常に落ち着いているし、莉朋の強さが出たレースだったと思います。
これでスーパーフォーミュラの2023年シーズンは終了となります。振り返ると、あっという間の1年でした。今年は莉朋の速さと強さが際立った年でした。これもスポンサーの皆様のおかげです。感謝しております。
来週はSUPER GTもチャンピオンのチャンスがありますので、引き続き頑張ります!

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