SUPER GT 2022 第1戦 レースレポート
開催 サーキット |
岡山国際サーキット(3.703km) | |
日時 | 4月16日(土) | 4月17日(日) |
来場者 | 6,600人 | 12,500人 |
天候 | 晴れ・ドライ | 晴れ・ドライ |
気温 | 17-17℃ | 23-28℃ |
路面温度 | 21-28℃ | 33-28℃ |
予選:レース内容
快晴のコンディション。一気に気温も上がり、汗ばむほどの暖かさの中で82周のレースがスタートを切った。6番手から上位を目指して決勝に臨んだ新生36号車コンビは、序盤で順位を落とすことはあったが、しっかりと周回を重ねてドライバー交代。中盤、終盤で順位を戻す展開に持ち込むことに成功。終わってみれば、スタートポジションの6位で開幕戦を締めくくることができた。強豪がひしめくGT500クラスにあって、第1戦でしっかりとポイントを獲得できたことは、今後のシリーズに向けて好発進と受け止められる結果を残すことができた。ディフェンディングチャンピオンの坪井 翔と、GT500クラス初参戦のジュリアーノ・アレジのコンビネーションがこれからどんどんと進化して、トップ争いに至るまでの過程を今シーズンに見られるという期待が膨らんだレースだった。
●合同テストから開幕戦の練習走行まで36号車と坪井は絶好調。細かなセッティングを修正することもなく、予選のQ1を迎え、坪井が担当した。
●予定通り、坪井はトップタイムを記録してQ1を突破。Q2進出を果たした。
●Q2の担当はアレジ。GT500クラスにおいて予選デビューを果たした。
●タイヤのウォームアップを終えて1分18秒台から17秒台に突入。Q1同様に1秒以内、コンマ何秒かの差でセッション終盤に激しく順位が変動した。
●やや早めのアタックを仕掛けたアレジが一旦はトップに。しかしその後、怒涛のアタックを仕掛けてきた他車たちがタイムを更新。6番手で予選を終えた。決勝は3列目のグリッドからスタートを切る。
●坪井が記録したQ1のタイムは、予選中のファステストタイムだった。
Driver | Q1 | Q2 |
坪井 翔 | P1 1’17.177 | ー |
ジュリアーノ アレジ | ー | P6 1’17.834 |
予選:ドライバー・エンジニアコメント
坪井 翔
36号車ドライバー
マシンは決まっているし、加えて今のボクのドライビングも合ってると思いますね。テスト、練習走行からトップタイムを連発できていて、Q1のトップタイムも出すことができました。ちょっと悔しいのは、もしボクがQ2を担当していたら、ポールポジションを取れていたということですね。ジュリアーノ選手にとっては初めてのGT500クラスの予選でしたが、経験を積んでもらうためにも「頑張って」と送り出しました。6番手のグリッドは十分勝つチャンスがあると思います。去年勝てなかった開幕戦でリベンジし、勝ちたいと思っています。
ジュリアーノ アレジ
36号車ドライバー
緊張することなく予選に臨めた。マシンのフィーリングも良くて、自分なりに頑張ることができた。坪井選手のタイムには届かなかったけど、6番手のグリッドを獲得できた。もちろん100%のパフォーマンスを引き出すことはできていないけど、開幕戦の予選で自分がやらなければならないことはできたと思っている。決勝では、目標順位を設定するということではなくて、自分としては<良いレース>をすることだけを考えている。チームの作戦に従い、良いレースをするだけ。本当にそれだけです。
吉武 聡
レースエンジニア
何の問題もなく予選まで駒を進めることができました。持ち込みの状態からマシンのバランスがとても良くて、岡山に来てからセッティングを変える必要もなく、多少の車高調整をしたくらいですね。坪井選手は当然タイムを出してくれると信じていました。タイヤチョイスもこれまでのテストでしっかりと合わせ込んできたものなので、迷うこともなく、安定しています。ジュリアーノの走行も、ロングラップで安定感と速さが増してきています。岡山に来てからも走る度にタイムアップしてきているので、順位アップはできると信じています。
伊藤 大輔
チーム監督
順調です。予定してきたことをきちんと行えた予選でした。スムーズな流れの中で練習走行を終え、坪井のQ1トップタイムは予想していたし、ジュリアーノは初めてながらもベストを尽くしてくれた。予想通り、プラン通りに展開した予選でした。走る毎にジュリアーノはどんどん経験を積んでいますし、午前中の練習走行ではアドバイスを与えながら、決勝のロングラップを担当してもらいましたが、安定したタイムで周回できているので、このポジションからの追い上げも期待できます。しっかりとしたレースをしますので見ていてください。
決勝:レース内容
快晴のコンディション。一気に気温も上がり、汗ばむほどの暖かさの中で82周のレースがスタートを切った。6番手から上位を目指して決勝に臨んだ新生36号車コンビは、序盤で順位を落とすことはあったが、しっかりと周回を重ねてドライバー交代。中盤、終盤で順位を戻す展開に持ち込むことに成功。終わってみれば、スタートポジションの6位で開幕戦を締めくくることができた。強豪がひしめくGT500クラスにあって、第1戦でしっかりとポイントを獲得できたことは、今後のシリーズに向けて好発進と受け止められる結果を残すことができた。ディフェンディングチャンピオンの坪井 翔と、GT500クラス初参戦のジュリアーノ・アレジのコンビネーションがこれからどんどんと進化して、トップ争いに至るまでの過程を今シーズンに見られるという期待が膨らんだレースだった。
●アレジがスタートドライバーを担当した。
●1周目に7番手グリッドスタートの12号車の先行を許して7位へ後退。
●30周をクリアしてピットインするまで、日産のエースである23号車を従えて周回を重ねた。
●交代した坪井がコースインした時点で10位を走行。
●坪井は52周目、61周目、71周目、78周目にポジションアップを果たした。
●レースの終盤には路面温度が5℃近く下がり、上位陣のラップタイムが落ちる中で坪井は好タイムを連発した。
●同じブリヂストンタイヤを装着するマシンの中では、終盤に2番目のタイムを叩き出し、前を行く5台を追った。
●6位フィニッシュ。5ポイントを獲得して初戦を終えた。
Driver | Race Result | 1s / Fastest Lap | 2s / Fastest Lap |
坪井 翔 | P6 | ー | 1’21.606 |
ジュリアーノ アレジ | 1‘29.240 | ー |
決勝:ドライバー・エンジニアコメント
坪井 翔
36号車ドライバー
持ち込みの状態でマシンの調子はとても良く、セッティングを変える必要はなかったですね。本当に車高の調整くらいでした。ロングスティントになりましたけど、タイヤとのマッチングも良くて、単独だったらトップと同じラップタイムで走ることもできたので、スタートする順位がもっと上だったらもっと順位は良かったと思います。表彰台だって獲得できたのではないかと思います。今年のSupraは、空力が良くなってコーナリングも速くなったのですが、ライバルたちも速くなったので、大変なシーズンになるのではないかと思います。ジュリアーノ選手も経験を積めばもっと速くなるし、一緒にパフォーマンスを上げて行きます。
ジュリアーノ アレジ
36号車ドライバー
初めてのGT500クラスのレースは、すごいバトルが連続していて、それがとても勉強になった。すぐ後ろには23号車のロニー(クインタレッリ)選手が迫っていたけど、バトルを展開できたし、特に勉強になった。彼には来日以降お世話になっていて、レースでも学ぶべきことがとても多くある。坪井選手をはじめとして沢山の先生のおかげで、いろいろ教えてもらえるチャンスがある。今回、学んだことは次戦の富士で速さに繋げたい。初めてのレースでポイントを獲得することができた。今、集中していることは良いレースをすること。それができれば、結果が出せる。
吉武 聡
レースエンジニア
スタートポジションと同じ6位でフィニッシュできてポイントも獲得できました。予定通りの開幕戦でした。今回、予選から決勝を通じて、車高を変更したぐらいで、マシンのセットアップを変える必要がない状況でした。ジュリアーノも大きく順位を落とすこともなく頑張ってくれました。今回の経験を今後に活かしてくれれば順位アップもできるでしょう。中盤から終盤で坪井が順位アップ。コンディションに合わせたドライビングで速いラップタイムを連発してくれて、6位まで上がってきてくれました。
伊藤 大輔
チーム監督
ジュリアーノのGT500クラスデビューレースは、順位を落としはしましたが、接戦の中できちんと自分のスティントを走り切った。この経験は、彼に多くを学ばせてくれたと思っています。走行中も周を重ねるにつれて落ち着いて、ラップタイムもアップし安定していた。これからもっと学んでもらって、速さを身につけられるように育てて行きたいと思っています。坪井に関しては速さ、安定感は高いレベルにあって、レースの終盤では二番目に速いラップタイムを刻んでいてさすがだと思いました。一戦を終える毎にパフォーマンスをアップできるようにして行くつもりです。
舘 信秀
総監督
GT500クラスの初戦で、ジュリアーノは頑張ったと思う。岡山のコースで周りはベテランだらけの状況で、耐えながら同時に沢山のことを学んでくれたのではないかと思っている。結果に満足はしていないが、これからの成長が楽しみだ。坪井に関しては何もいうことはない。予選でQ1のタイムだったから採用はされないが、予選の最速だった。ディフェンディングチャンピオンという自信と余裕を感じさせるドライバーとなっている。ジュリアーノにとって、同じマシンをこのようなドライバーがドライブしていることはラッキーだ。次戦の結果が楽しみだ。