SUPER GT 2022 第5戦 レースレポート

予選:11位 決勝:8位
開催
サーキット
鈴鹿サーキット レーシングコース(5.807km)
日時 8月27日(土) 8月28日(日)
来場者 9,000人 16,500人
天候 曇り後晴れ・ドライ 曇り後晴れ・ドライ
気温 31-31℃ 30-29℃
路面温度 39-40℃ 40-36℃

予選:レース内容

前戦、富士スピードウエイにて、TGR TEAM Keeper TOM’Sの37号車は、見事な作戦で優勝を飾った。サッシャ・フェネストラズと宮田莉朋のGT500クラス最年少コンビが初優勝。そして、担当のエンジニアもGT500クラス最年少というフレッシュな勝利だった。第3戦の鈴鹿で初表彰台(3位)に立って以来、一気に加速して表彰台のトップに立ち、今シーズン2回目の鈴鹿に、ランキングトップとしてシリーズ後半戦へ突入してきた。獲得ポイント31点。サクセスウエイトも現在最大の62kg。規定によって燃料の供給量を制限する燃料リストリクターも装備されている。苦しい状況の中でQ1通過を目指して宮田莉朋がコースイン。Q1突破に不可欠な1分45秒台のタイムには僅かに届かず、Q2への進出は叶わなかった。決勝は11番手からスタート。

●第4戦優勝によって、トータルポイント31点。ポイントx2のサクセスウエイトは、62Kg。
●サクセスウエイトが50Kgを超えた場合、パフォーマンスに制限が加えられる。燃料の供給を少なくする燃料リストリクター1段階が装着され、実ウエイトはサクセスウエイトから17Kgを差し引いた45Kgが搭載されている。
●Q1のアタックを行った宮田は、GT500クラスで燃料リストリクターを装着した状態で走行するのは初めての経験だった。
●ドライバーの感覚では実ウエイトよりも燃料リストリクターによって絶対的なパワー、速度が伸びないことが大きくタイムに影響を及ぼしている。
●今回の決勝レースは第4戦に引き続いて450km。給油2回の義務と、ドライバーの最大周回数以外の規定はないため、戦略面での幅が広く、後方からのスタートでもポイント獲得のチャンスがある。

DriverQ1Q2
サッシャ・フェネストラズ
宮田 莉朋P11 1’46.055

予選:ドライバー・エンジニアコメント

サッシャ・フェネストラズ

37号車ドライバー

ウエイトと燃料リストリクターによって、とても難しい予選だった。トップグループのマシンと比べて1秒くらい遅い。練習走行のロングラップではマシンの調子は良くて、ラップタイムも悪くなかった。しかし、予選の一発のアタックでは、燃料リストリクターの影響が大きく出てしまう。莉朋の予選アタックは素晴らしかったと思う。同じく燃料リストリクターが入って、我々よりも実ウエイトが軽いSupraの14号車より前のグリッドからスタートできる。それだけドライバーもチームも頑張ったという証明だと思う。決勝は落ち着いて、トラブルに巻き込まれることなく、着実にポイントを獲得して、終盤戦に向かうとこが大事だと思っている。

宮田 莉朋

37号車ドライバー

燃料リストリクターが装着されたマシンをドライブするのは、ボクにとって初めての経験ですが、練習走行で実感、慣熟しました。アクセルを踏んでもどれくらい前に進んでくれないのかを確認しました。予選は当然厳しい状況だとはわかっていましたが、前回の鈴鹿と比較しても、アタックラップの1周をミスなくまとめることができたのですが、Q1は突破できなかったですね。燃料リストリクターの影響ということですかね。事前ミーティングをじっくりと行った結果、改善したかった部分は改善されて、今回臨むことができましたし、マシンのバランスも良いので、レースの経過、状況をしっかり把握しつつ、地道にポイントを稼ぎます。

大立 健太

レースエンジニア

前回の鈴鹿で出ていた症状は改善されているのでマシン的には問題なく、特に前回問題だったポーポシングやアンダーステアは解消しているので、ドライバーのフィーリングもネガティブなものはなかったです。しかし、如何せん重いのと、燃料リストリクターが前に行かせてくれないですね。今回、莉朋がQ1アタック。これは鈴鹿に入る前から決めていたことです。マシンは悪くないですがQ2に進めずでした。決勝日の気温が高そうなので、タイヤはミディアム系のものを選択しています。36号車とはチョイスが分かれました。ロングランのペースも悪くないので、できるだけ多くのポイント獲得が目標です。

山田 淳

チーム監督

現状から考えて、頑張った結果であると判断しています。マシンのバランスは決して悪くないので、ここからできるだけ多くのポイントを獲得するように決勝に臨んでいきます。今回から2基目のエンジンを投入していますが、サクセスウエイト通り、Supra勢が少し後ろの方に居ますね。450Kmレースは色々なチョイスがあるのですが、特に変則的なことは行ってきませんでした。うちのチームの戦略は王道。今回もその方向で行くと思います。レース後半に路面温度が下がる状況を的確に捉えて、ゴールを目指します。

決勝:レース内容

37号車のグリッドは11番手、6列目。そこから450Km、77周の決勝レースがスタート。GT500クラスの15台の集団、その後続グループで、1コーナーからS字カーブへ続くセクションで位置取りが悪かったため、順位を下げ13位で1周目ホームストレートに帰ってきた。そこから順位アップ、レースの3分の1を過ぎるまでには10位以内まで挽回していた。26周して1回目のピットイン。特にアクシデントもなくレースは進行して、レース中盤戦へ。2回目のピットインを予定していた周回に近づいた時、GT300クラスのマシンが130Rでコースアウト。セーフティーカー(SC)が導入された。導入直前にピットインを行なっていたら、ポジションを上げるチャンスだったが、SCがコースインした時までにピットロード入口には至っていなかった。ポジションをキープしつつ終盤へ。最終盤には再び順位アップに成功して8位。貴重な3ポイントを獲得した。ランキング2位で残り3戦に臨む。

●フェネストラズがスタートドライバーを担当した。チョイスしているミディアムタイヤのウォームアップに苦労し、1周目のペースが悪かったうえ、イン側のラインで行き場をなくし、順位を二つ下げてしまった。
●上位のマシンの中で、早々にピットインするマシンがあり、順位を上げることができた。タイヤが温まるとペースが良くなり、パッシングも行えて、最初のピットインまでには10位以内の順位で走行することができていた。
●フェネストラズは、26周してピットインし宮田に交代。宮田はソフトタイヤを装着、コースインしてすぐに快調なペースで周回を重ねることができていた。
●レースの3分の2が経過し、再びピットインのタイミングを迎えた時にSCが導入された。導入直前に2回目のピットインができていれば、大きく順位アップのチャンスだったが、宮田がピットロード入口に来るまでにSCはコースインし、ピットロードは閉鎖されていた。
●SC明けに2回目のピットインを済ませて、9位でレースに復帰。最終ラップに上位のマシンがクラッシュしたため8位でレースを終えた。

Driver Race
Result
1s / Fastest Lap

2&3s / Fastest Lap

サッシャ・フェネストラズ P8 1’51.213
宮田 莉朋 1’50.303

決勝:ドライバー・エンジニアコメント

サッシャ・フェネストラズ

37号車ドライバー

レースのスタートはいつも難しい。今回は特にイン側のラインで順位アップを狙っていたけど、アウト側のマシンたちのペースが良くて抜かれてしまった。そして序盤はNSXの8号車に抑えられてしまった。コーナリングではSupraが速くても、NSXはトップスピードが高くてパスするのは難しかった。こっちは燃料リストリクターが装着されているから、ストレートエンドでの伸びがなかった。タイヤのチョイスもマッチしていなかった。暖まりだけではなくて、バイブレーションや摩耗も良くなかった。セカンドスティントでソフトに換えてペースが良くなったのを見ればそれが分かる。SCのタイミングも我々にはアンラッキーだった。悔しい。

宮田 莉朋

37号車ドライバー

第1スティントでサッシャがコメントしていた状況から、タイヤをソフトに換えたら、マシンのバランスが良くなって、最初からソフトでスタートしていたら結果はもっと良くなっていたかな。でも、それは結果論ですからしょうがないですね。第2スティントは、トラフィックも凄かったので、燃費走行をしつつ、できれば順位を上げたかったのですが難しかったですね。第3スティントの途中まで燃費を稼いで、最後にスパートしました。あとは、SCが入る前にピットインできていたら最高でしたね。次の菅生でどれだけポイントを稼げるかが、今シーズンのキーだと考えているので、地味にではなくて、多くのポイントを獲得したいですね。

大立 健太

レースエンジニア

ミディアムタイヤは暖まりが悪くて、サッシャはとても苦労していました。さらには燃料リストリクターによってトップスピードも伸びず大変でした。それでも彼が頑張ってくれて、予定通りのラップを重ね、ポイントを獲得できる目処が立っていました。タイヤをソフトに換えればペースも上がったので、マシンのセットアップは間違っていなかったと思います。優勝した日産さん、ホンダさんも速さを見せていましたよね。第6戦の菅生ではどうなるか。依然としてウチの状況が厳しいのは変わりないですが、その中でポイントをしぶとく取りにいきます。

山田 淳

チーム監督

スタートのポジション、位置取りが悪くてパスされてしまいましたね。アウト側から来たマシンに抜かれたようです。路面温度が思ったほど上がらなかったですしね。ミディアム系のタイヤは難しく、スタート直後から本当に苦しかった。莉朋からソフトに換えて、ペースは復活しました。SCのタイミングで2回目のピットインができていれば、ビッグポイント獲得も可能だったのですが、ピットの入口に差しかかった時にはSCが既にコースインしていて、ピットロードは閉鎖されてしまっていたので入れませんでした。それでも3ポイントを得られました。次戦菅生でも変わらず厳しいですが、耐えてポイントを稼ぎます。

舘 信秀

総監督

莉朋が燃料リストリクターが装着された状態のマシンをドライブするのが初めてと聞きびっくりしたが、さすがにすぐに順応していたようだ。後半戦に入って、この第5戦と第6戦は我慢のレースが連続する。その中でどうやってポイントを獲得できるかが課題だった。そして、他車のアクシデントもあり、8位でフィニッシュできた。レースの後半でSCが導入されたその直前でピットインできていたなら、あと3ポジションくらい上でフィニッシュできていたかと思うと悔しさが残るが、ランキング2位で次戦を迎えられることを良しとしたい。

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