SUPER FORMULA 2022 第7戦 レースレポート
開催 サーキット |
モビリティリゾートもてぎ レーシングコース(4.801km) | |
日時 | 8月20日(土) | 8月20日(土) |
来場者 | 2,800人 | 2,800人 |
天候 | 曇り・ドライ | 雨・ウエット |
気温 | 26-27℃ | 26-25℃ |
路面温度 | 35-37℃ | 35-30℃ |
予選:レース内容
今シーズンの開幕イベント以来のダブルヘッダーとなる第7戦、第8戦が行われるモビリティリゾートもてぎ。早朝9時20分から開始される予選の前、同日の走行はなく、前日金曜日に1時間半のフリー走行が行われている。2グループに分かれて行われるQ1でトップ6、計12台がQ2に進出。金曜日の練習走行で苦戦したKuo VANTELIN TEAM TOM’Sの2台だったが、予選へ向けてのセットアップを変更して臨んだ。37号車の宮田莉朋は、Q1を突破してQ2に進出を果たすが、Q2アタックの前にトラフィックに引っかかってしまい、十分なタイヤのウォームアップを行えず、思うようにタイムアップが出来ず9番手で決勝第7戦を迎えることとなった。ジュリアーノ・アレジは、Q1でアタックのコースイン後に同じくトラフィックに阻まれる位置取りとなってしまい、こちらも十分なタイヤウォームアップができないまま、Q2に進出できずに予選を終えてしまった。
●宮田莉朋がAグループ。ジュリアーノ・アレジがBグループでQ1のタイムアタックを行った。
●宮田は、コースインして3周目にアタックを開始しようとしたが、2コーナーから3コーナーを走行している時に、コースインしてきたばかりのマシンが前を走行していたため、アタックを中止。翌周に再アタックして6番手となってQ1を突破することに成功した。
●アレジもQ2進出を目指してコースイン。しかし、このBグループでは、各車が接近して集団となってしまっていた。そして、その集団のペースが遅く、フロントタイヤを十分にウォームアップできないまま、終了の時間が迫ってきた。アタックできたのは最後の1周のみで、不本意なタイムに終わり、結果はグループ9番手。Q1で敗退という結果となった。
●Q2に進出した宮田は、7分間のセッションでトラフィック、集団の中で走行せざるを得ない状況となり、セッション終了10秒前にようやくアタックラップに入り、Q1のタイムは更新したものの、結果は9番手。こちらも不本意な結果で決勝を迎えることとなった。
●アレジは、18番手グリッドからスタートする。
Driver | Car No. | Q1 | Q2 |
ジュリアーノ アレジ | 36 | 9 1’31.658 | |
宮田 莉朋 | 37 | 6 1’31.439 | 9 1’31.300 |
予選:ドライバー・エンジニアコメント
ジュリアーノ・アレジ
36号車ドライバー
金曜日の練習走行の段階からアンダーステアが酷くて、タイムが伸びずに苦労した。予選に向けて、セッティングを変更してもらって、良くなっているはずだった。予選までは同日に一切の練習走行はないので、Q1の時間内でマシンのチェックをして、タイムアタックをしなければならなかったけど、重要視していたフロントタイヤのウォームアップが全くと言っていいほどできなかった。スローカーの背後についてしまったので、タイヤを暖めるスピードまで達することができなかった。10分間という短いQ1で十分な走行ができずに本当に悔しい結果となってしまった。決勝は、後方からのスタート。序盤からプッシュ、そして作戦で順位を上げてフィニッシュしたい。
宮田 莉朋
37号車ドライバー
金曜日の走り出しから良くなくて、それが予選でも引きずっていますね。ここが悪いというところはないのですが、もてぎの特徴である前半のストップ&ゴーのコースが得意ではないセッティングから抜け出せていないというのが問題ですね。Q1は、なんとか突破できましたけど、当然満足はしていません。そして、Q2では、コースインするタイミングと他車との間合いが悪くて、タイヤもブレーキも十分にウォームアップできずにアタックに入らなければならなかったので、タイヤのパフォーマンスを生かすことができずに終わってしまいました。
大立 健太
36号車エンジニア
金曜日の走り出しの状況は、悪くなかったのですが、ユーズドタイヤでのタイムの伸びが思ったほどなかった。そして、ジュリアーノがアンダーステアが酷いと訴えていたので、それをどうにか対処しようとしていました。アンダーを直すとブレーキングのパフォーマンスにも影響するので、両方が良くなる、両立させられる点を探していました。予選のアタックは、コースインしたタイミングが悪くて、前を走行していた2台が超スロー走行していて、タイヤのウォームアップが全くできずに終わってしまったので、Q1を突破できず、後方から決勝をスタートすることとなりました。
小枝 正樹
37号車エンジニア
練習走行の段階から改善点を探ってセッティングを変更はしましたけど、まだ足りない部分があって、望んだほどは良くなかった。なんとかQ1は突破できましたが、ギリギリでなんとかQ2へ進出できたという状況ですね。そして、Q2ではトラフィックの真っ只中で走行しなくてはならず、コースインのタイミングを間違ってしまった結果ですね。セッティング自体は特に悪いところはなく、と言いますか、ここがもっと欲しいという点がないというのが悩みです。もてぎで重要なブレーキングの安定性をもっと高めて決勝に臨みたいと思います。
決勝:レース内容
予選の同日午後に行われた第7戦決勝。グリッドに向かう前の8分間のウォームアップ、そしてグリッドに着くまでは、曇り空だったのに、全車がグリッドに着いた直後から雨が降り始め、スタート前のセレモニーが終わると本降りとなり、路面は完全にウエットへ変わった。グリッド上で各車は、レインタイヤへ交換してウエットレースとなった。巻き上がる水飛沫の中でスタートが切られ、ドライバーの視界は極端に悪い状況だった。9番手スタートの宮田莉朋、18番手スタートのジュリアーノ・アレジ共に1周目にひとつずつ順位を下げ、37周のレース序盤の周回を重ねた。宮田はトラブルでスローダウンしたマシンに追突しそうなシーンもあったが、8位でフィニッシュ。アレジは、セーフティーカーが導入された際にピットインしてタイヤ交換。その後に一気にペースを上げて、一時9位まで順位を上げる。18番手スタートからなんと9台抜き。しかし、終盤にスピン、ペナルティ5秒も科せられ13位に終わった。
●天候が一気に急変。グリッド上でタイヤをスリックからレインへ交換。しかし、セッティングを変更するほどの時間はなく、ドライセットのまま雨用のタイヤを装着した状態だった。
●オーガナイザーはセーフティーカー(SC)スタートを判断。3周目までSCが先導して、4周目からレースが開始された。
●各車が巻き上げる猛烈な水飛沫の中でスタートが切られた。1周目に宮田、アレジは共に1ポジション下げて帰ってきた。
●宮田は、前方を走る1台がコースオフしたため順位を戻して序盤を走行するが、視界が極端に悪く、14周目にメカニカルトラブルでスローダウンしたマシンを間一髪でかわし、接触を避けることができた。大きなアクシデントに繋がらなず幸いだった。
●28周から30周までSCが導入された。リスタートで宮田は7位にポジションアップ。しかし、その後に前後のブレーキバランスが悪く後退し、8位フィニッシュとなった。
●アレジは、SCの際にピットイン。タイヤ交換後、一気にペースアップし9位へ。しかし、36周目にスピン、13位でレースを終えた。また、SC展開中に視界が悪く、前車を避けようとしてオーバーラン。これによって結果に5秒加算のペナルティを受けている。
Driver | Car No. | Race / Fastest Lap |
ジュリアーノ アレジ | 36 | R13/1’52.409 |
宮田 莉朋 | 37 | P8 / 1’51.055 |
決勝:ドライバー・エンジニアコメント
ジュリアーノ・アレジ
36号車ドライバー
午前中の予選からコンディションが一転。これにはびっくりした。スタート直後はスプラッシュで全く前が見えない中、接触のリスクだけは避けたかったので、1周目に一つポジションを下げてしまった。そこからはひたすら前のマシンを追いかけることだけに集中した。レインタイヤの摩耗もどんどん進んで、ペースが保てなくなった。ちょうどSCがコースインして、ピットインし、新しいレインタイヤに交換してもらったら、一気にペースが上がって、どんどんと前車をパスできた。でも、最後に5コーナーでスピンしてしまったのはミスだった。ポイントが取れただけに悔しい結果となってしまったけど、パッシングができたことは良かったと思っている。
宮田 莉朋
37号車ドライバー
とても難しいレースでした。レインタイヤを装着しただけで、スタートを切りましたが、思っていたほどは、悪い状態ではなかったのですが、すごいスプラッシュの中で前は全然見えないし、前のマシンに近づくとダウンフォースが一気に減って曲がらなくなってしまいますし、大変でした。あの状況でオーガナイザーがスタートを判断したのは正しかったのでしょうか。途中スピードダウンしたマシンに追突しそうにもなったし、大きなアクシデントが起きずに幸いでしたね。SC明けでは順位を上げられたのですが、ブレーキバランスが悪くなって、リヤばかり効いてしまって、毎周5コーナーでオーバーランしていました。それで最後にポジションダウンという結果でした。
大立 健太
36号車エンジニア
レース直前のウォームアップでマシンの確認をして、予選時より状態は良くなっていることが分かったのですが、グリッドについたら雨。最初はそれほどの雨量ではなかったのでセッティングを変えずに待っていたのですが、一気に本降りとなって、そのままレインタイヤを着けただけでスタートしてもらいました。後方からのスタートでは全く前が見えない状態だったそうです。それでも耐えて、SC中にタイヤ交換してからは9ポジションアップという速さを見せてくれました。最後のスピンはちょっと行きすぎてしまったのか、ペナルティもありポイントゲットはなりませんでした。
小枝 正樹
37号車エンジニア
突然の雨ですからね、グリッド上でレインセットに変更する間もなくスタートしていった状況ですね。1周目に一つポジションを落としてしまいましたが、あのスプラッシュの状況では中段で走行するのは相当難しかったと思います。タイヤが暖まってからは、ペースも少し良くなって、莉朋も単独走行だったなら、もっとペースは良かったと言っていました。マシン事態はドライセットで、コース状況に全くアジャストできていない状態ですから、乗りにくさはすごかったと思われます。SCのリスタートで順位を上げられたのですが、最後に抜かれてしまったのは、その乗りにくさと、前後のブレーキバランスも悪くなったのが原因ですね。
舘 信秀
チーム監督
予選では、本来の力を発揮できないまま終わってしまった。莉朋、ジュリアーノの二人がトラフィックで十分にタイヤを暖められずにタイムが出せないという結果だった。決勝は突然の雨。中段と後方からスタートする我がチームとしては、雨がポジティブな要素になってくれないかという期待もあった。しかし雨量が多く、スプラッシュで視界がとても悪い中では順位アップは容易ではなかった。その中で、ジュリアーノがSCの導入と共にピットインしてタイヤ交換、ペースアップして一時は10位内まで順位アップするという走りを見せてくれた。第8戦では予選から上位進出を目指したい。