SUPER GT 2023 第8戦 レースレポート

予選:3位 決勝:1位
開催
サーキット
モビリティリゾートもてぎ(栃木県茂木町)
日時 11月4日(土) 11月5日(日)
来場者 15,600人 30,000人
天候 晴れ 曇り時々雨
気温 23℃ 22℃
路面温度 29℃ 24℃

予選:レース内容

チーム全員がベストを尽くし、
予選で3番グリッドを獲得。
悲願の王座へ一歩前進。

 ライバルに対して7ポイントリードしている状態で最終戦を迎えた36号車。2位以内に入れば自力でチャンピオン獲得となるが、ライバル陣営も速さをみせてくるとチームも予想しており、全員が今一度気を引き締めて、今季最後のレースに臨んだ。
 午前の公式練習では、宮田が担当したセッション前半は良い感触をつかめなかったが、途中で問題点を修正して、終盤には坪井が3番手タイムを記録。上り調子で午後の予選を迎えた。Q1担当の宮田は、午前に自身が記録したタイムから2秒近く更新する1分36秒440で5番手通過を果たすと、続くQ2では坪井がマシンに乗り込み、渾身のアタックを披露。1分36秒214で3番グリッドを獲得した。チャンピオンを争うランキング2位のライバルがポールポジションを獲得したことで、36号車とのポイント差は縮まったが、優勝も狙える位置で予選を終えられたことで、チームの士気も一層高まっていた。

DriverQ1Q2
坪井 翔P5/1’36.440
宮田 莉朋P3/1’36.214

予選:ドライバー・エンジニアコメント

坪井 翔

36号車ドライバー

ライバルがトップにいますが、
僕たちもベストを尽くした予選でした。

公式練習の結果を見ても、ライバルが手強いことはわかっていました。その中でひとつでも前のグリッドを獲得しなければならなかったのですが、今の僕たちが持っているパッケージで、これ以上ない結果を残すことができたと思っています。今できることを全て出し切った中でのタイムだったので、そこは満足です。

宮田 莉朋

36号車ドライバー

予選でトップ3に入ることができれば、
理想的だと思っていました。

公式練習で僕が乗った時はあまり良い印象ではなかったので、『Q1通るかな』と不安でいっぱいでした。でもチームのみんなが『僕がQ1に通らなかったら、みんな通らないよ』と言ってくれて、吹っ切ることができました。Q1に向けて色々セットアップを考えて臨むことができました。

吉武 聡

レースエンジニア

2位以内でタイトル決定ですが、決勝は優勝を狙っていきます。

僕たちのクルマとタイヤで出せるベストは出し尽くせたと思います。朝の公式練習ではエンジンの制御系の部分に少し問題がありましたが、それが直ってからはクルマのセットアップも徐々に良くなっていきました。予選に向けて少し調整しましたけど、それも良い方向にいったのではないかと思います。

伊藤 大輔

チーム監督

ライバルも手強い状況下で、
3番手という結果は満足です。

朝の公式練習の序盤はクルマの問題もありましたが、予選では宮田選手がしっかりQ1を突破してくれて、Q2で坪井選手が3番手タイムを記録してくれました。決勝では自分たちがミスなく、いつも通りのレースをすることが大事ですし、優勝を狙っていきつつも、タイトル獲得を頭に入れて戦いたいと思います。

決勝:レース内容

不安定な天候をもろともせず、
逆転で今シーズン3勝目!
2023シリーズチャンピオンに輝く!

 3番手スタートの36号車は、坪井がスタートを担当。まずは自力でチャンピオンを決められる2番手を目指し、序盤から積極的に前を走るライバルに仕掛けていった。途中、雨がパラつく場面があったが、坪井は攻める手を緩めず、23周目にコース半周にわたるバトルを制して、自力チャンピオン獲得圏内となる2番手に浮上した。
 坪井は26周目にピットインし宮田に交代。ゴールに向けて着実に周回を重ねたが、レース後半に再び雨が降り始め、残り10周の時にはさらに雨脚が強くなった。上位の車両はスリックタイヤのままコースに留まったが、残り6周でトップ走行中のライバルがコースオフ。これでトップに立った36号車が今季3勝目を挙げ、2023年のドライバー・チーム両タイトルを獲得した。坪井にとっては2021年以来2度目のGT500王座、SUPER GTでは初王者となる宮田は、前週のスーパーフォーミュラ初戴冠も含め、最年少で国内最高峰レースのタブルタイトルを獲得した。

Driver Race Result Fastest Lap
坪井 翔 P1 1’40.011
宮田 莉朋 1’41.101

決勝:ドライバー・エンジニアコメント

坪井 翔

36号車ドライバー

自力でチャンピオンという、
最高の結果を得られました。

2年前とは違い、追われる立場でプレッシャーもある中で、しっかりと勝ってチャンピオンを決められたのは大きいです。僕のスティントで順位をひとつ上げられれば、チャンピオンに近づくと分かっていたので、少ないチャンスの中でしたが、仕留めることができて良かったです。あそこが今回のキーポイントだったと思います。

宮田 莉朋

36号車ドライバー

チームとともに、ミスなく力強く戦って、
1年間の集大成となりました。

途中で雨が降ってきたところでトップとの差も縮まり『もしかするとチャンスがあるかもしれない』と思いました。1年間、チームとともにミスなく力強く戦えたことの集大成が、このような結果をもたらしたのだと思います。チームやTGRの皆さん、スポンサー、ファンの皆さんには感謝しかないです。

吉武 聡

レースエンジニア

速くて強い2人と一緒に戦えた1年でした。
これでプレッシャーから解放されます。

予選で3番手を獲得できた時点で、ひとつ順位が上がればチャンピオン、2つ上がれば優勝もついてくる状況でしたが、2人はプラン通りに淡々と走ってくれました。坪井選手が前半に1台抜いてくれたことも凄かったですし、宮田選手は終盤のあのコンディション下でもコースに留まってくれました。完璧なレースでした。

伊藤 大輔

チーム監督

勝ってチャンピオンという目標を
実現できて、これ以上ない結果です。

前半に坪井選手が17号車を抜き、後ろとのギャップを築いてピットインできたことで、メカニックも落ち着いて作業ができました。莉朋選手のスティントで雨が強くなった時はヒヤヒヤしましたが、彼のパフォーマンスと残り周回数、あとはライバルの動きを考えて、そのまま最後まで走り切る決断をしました。2人とも本当に良い仕事をしてくれたと思います。

舘 信秀

総監督

2位以内であればチャンピオン確定という中で、坪井がポジションを上げてくれました。莉朋に交代してからも、後続のライバルに追いつかれる雰囲気はなかったので、そこは安心して見ることができていました。
ただ、途中から雨が降ってきて、最後まで何が起こるか分からない展開になりましたが、こういう時のラスト10周というのは、すごく長く感じるもの。「早く終わらないかな」と心の中で願っていました。
2人のドライバーは、ともにトムスでF3の頃から頑張ってきたので、その2人でチャンピオンを獲れたというのは感慨深いですね。
そして、1年間応援してくださったファンの皆様、スポンサー様には心より感謝申し上げます。皆様のご声援のおかげでチャンピオンを獲ることができました。ありがとうございました。

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