SUPER GT 2022 第7戦 レースレポート
予選:15位 | 決勝:9位 |
開催 サーキット |
オートポリス(4,674m) | |
日時 | 10月1日(土) | 10月2日(日) |
来場者 | 6,000人 | 11,000人 |
天候 | 晴れ・ドライ | 晴れ・ドライ |
気温 | 25-24℃ | 26-26℃ |
路面温度 | 40-36℃ | 45-38℃ |
予選:レース内容
SUPER GTの終盤戦。今シーズンは、このレースを含めて残り2戦。 TGR TEAM KeePer TOM’Sの37号車は、ランキング4位。トップから18ポイント差で第7戦のオートポリスに乗り込んできた。このレースでは、サクセスウエイトが獲得ポイントと同じ。36点を獲得しているので、ウエイトも36kgとなっている。オートポリスに向けて、新たなセットアップのアイデアを盛り込んできたが、午前中の練習走行から苦戦を強いられてしまった。そして、予選にはセッティングをベースセットに戻してアタックを行うこととなった。まずは、Q1突破へ向けてアタック。最終第3セクターの締めくくり、最終コーナーの立ち上がりでハーフスピンした状態でコントロールラインを通過。Q2進出はならなかった。
●セットアップに新たなアイデアを盛り込んで、九州オートポリスに乗り込んできたが、コースコンディションにマッチせず、タイムが伸び悩んだ練習走行だった。
●結果的に、予選はベースセッティングに戻して、細かな修正を加えてQ1に臨むことになった。
●Q1をサッシャ・フェネストラズが担当した。
●練習走行の時点から、コースコンディションはタイヤのラバーグリップによって良くなってきており、タイムアップが望める状態となっていた。
●コースの第1、第2セクターはまずまずのタイムで通過し、Q2進出は第3セクター次第となった。上りや、回り込んだ左右のコーナーが連続する第3セクターの途中、データではタイムアップが望める可能性が出ていたが、最終コーナーの立ち上がりでダートにはみ出し、ハーフスピンしてしまいタイムロス。最下位で予選を終えてしまった。
●宮田莉朋の予選走行のチャンスはなくなってしまった。
Driver | Q1 | Q2 |
サッシャ・フェネストラズ | P15 1’35.983 | ー |
宮田 莉朋 | ー | ー |
予選:ドライバー・エンジニアコメント
サッシャ・フェネストラズ
37号車ドライバー
今回セットアップの方向性を変えたのですが、練習走行からあまり良くなくて、タイムが全然伸びなかった。予選に向けてベースセッティングに戻してもらって、自分がQ1を担当した。セクター1、セクター2はまずまず、そしてセクター3でなんとかタイムを詰めたくてプッシュした結果、最終コーナーの立ち上がりで縁石に大きく乗り上げてしまい、スピン状態になってしまった。クラッシュはなんとか避けられたけど、全てのタイヤに大きくフラットスポットを作ってしまった。チームに申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
宮田 莉朋
37号車ドライバー
新たなセットアップから走行を始めたのですが、それがあまり良くなくて、ベースセッティングに戻して、予選に臨むことになりました。GT500クラス最後の占有走行時間で、予選に向けての最終確認をしたかったのですが、連続して赤旗中断が発生したため、ピットアウト、ピットインをしただけに終わりました。サッシャがQ1を担当して、結果としてスピンしてしまいましたが、これはプッシュした結果であって、レーシングドライバーでもミスはあるし、プッシュしない方が問題だと思います。決勝は、ピットスタートからどこまで追い上げられるかですね。チャンピオン争いのためにもポイントを獲らなくてはなりません。
大立 健太
レースエンジニア
今回は、いろいろと新たなトライをしてみましたが、そのセットアップが合わず申し訳なかったですが、ベースとなるセットアップはあるので、そこへ戻すという手はあります。練習走行中で、徐々にベースセットに戻して予選に臨んでいます。そこでのフィーリングは悪くないと、ドライバーからコメントをもらっています。ロングランは良いのですが、一発の速さ、一撃は少し足りなかったなというところですね。トップのタイムが1分31秒台まで行っていますが、ウチのマシンが決まっていたとしても、そこに届いてはいなかったかなという感じです。
山田 淳
チーム監督
練習走行でのセットアップ変更によって、マシン自体は良くなって、大きな問題はなかったと思います。なんとかQ2には進出できるのではないかと思っていましたが、最終コーナーでのスピンはしょうがないですね。それよりも、スピンでタイヤを壊してしまっているので、タイヤ交換のためにピットスタートとなります。フラットスポットができた原因が不可抗力ではないので、しょうがないですね。レースは色々な展開がありますし、何が起こるかわからない。最後尾、それもかなり後ろからどこまでポジションを上げられるか。なんとかポイントを獲って最終戦のチャンピオン争いに加わることを目標にしています。
決勝:レース内容
予選Q1において、最終コーナーの立ち上がりでハーフスピンをしたため、タイヤ4本にフラットスポットができてしまい、タイヤ交換をしてからコースインせざるを得ない事態となり、第7戦の決勝はピットスタートとなった。レースのスタートと共に、タイヤ交換作業を開始して、GT500クラスとGT300クラスの全車がスタートラインを通過してから、コースインOKのグリーンランプが点灯して、TGR TEAM KeePer TOM’Sの37号車がレースに加わった。まずはGT300クラスのマシンをパスして、GT500クラスのマシンの集団を追った。第1スティントではロングラップ作戦をとった。早めのピットイン作戦をとったチームが多く、ロングラップ作戦のチームの中ではピットインまで2位を走行。一人のドライバーの最大周回数近くまで走行してピットイン、ドライバー交替。一旦ポイント獲得圏外まで順位を落としたが、そこから追い上げて9位フィニッシュ。最終戦にチャンピオン獲得の可能性を残している。
●宮田莉朋がスタートドライバーを担当した。
●レースのスタート共に4本のタイヤを交換。ピットロードの出口でコース上の全車がスタートラインを通過して、シグナルのグリーンンが点灯して、ようやくコースイン。GT500クラスのトップ車両から1分以上遅れてレースに参戦。
●宮田へのタスクはロングラン。同時に燃費に細心の注意を払うことだった。
●ロングラン作戦のマシンの中で、レース中盤で2位を走行。
●41周してピットイン。サッシャ・フェネストラズに交替。12位でレースに復帰した。
●復帰直後に11位へアップ。1台がリタイヤして10位へ。ピットスタートから驚異的な順位アップ。ポイント獲得圏内まで上りつめた。
●残り10周の時点で9位へアップ、そのままフィニッシュして2ポイントを獲得。チャンピオンの可能性を残して最終戦に臨む。
Driver | Race Result |
1s / Fastest Lap |
2&3s / Fastest Lap |
サッシャ・フェネストラズ | P9 | ー | 1’38.435 |
宮田 莉朋 | 1’37.639 | ー |
決勝:ドライバー・エンジニアコメント
サッシャ・フェネストラズ
37号車ドライバー
1分遅れてピットからスタートしたのだから、この結果は凄いと考えて良いと思う。作戦もベストだった。リトモのドライビングは最高だった。他力だけど、セーフティーカーが一度でも導入されていたら、何らかの変化がもたらされて、運が良かったらもっとポジションを上げられたかもしれないけど、レースはどのようになるかはわからない。それがレースの面白さであると思う。なんとかチャンピオン争いに残ることができている。最終戦のもてぎでは完璧な週末としなければならない。予選、決勝を完璧に戦えた時に最高の結果を得られるかもしれない。
宮田 莉朋
37号車ドライバー
やらなければならないこと、できる限りのことを行った末に得られた結果ですね。サッシャもボクも新たな環境の中で戦ってきた今シーズン。第7戦まで来て、困難な状況からレースは始まりましたが、ボクがロングラップをドライブして、燃費もできる限りセーブして、サッシャに引き継ぐことができました。もっと上位でフィニッシュしたかったですが、今回はこれが精一杯でした。計算上はチャンピオンの可能性を残していますが、予選でポールをとって1ポイントを稼ぎ、決勝で勝って20ポイントをとっても相手次第。でも諦めることなく、最終戦のもてぎに臨みます。
大立 健太
レースエンジニア
今日の決勝でできることは全てやり尽くしての9位フィニッシュですね。例年であれば、オートポリスのレースは荒れる展開もあると思っていたのですが、予想に反して落ち着いたレースでした。FCYは2回ありましたが、大きく順位に影響するものではなかったですね。しかし、2回目のFCYがなかったら、もう一つポジションを上げられたかもしれません。路面温度がこの時期にしては異例の高さとなったのですが、選択していたタイヤは素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれました。最終戦は、ポールtoウィンを目指します。
山田 淳
チーム監督
今回はできる限りのことをやって、ポイントをゲットできたレースですね。レースの始まりから、GT500のトップから1分以上も離されていましたから。また、レースの流れが思っていた以上にスムーズで、セーフティーカー(SC)も導入されず、順位の変化が少ない中で、コンサバティブな作戦で順位を上げてフィニッシュすることができました。SCの導入を期待して、チャンスが舞い込まないかなという思いを抱いていることは、少し悲しいですね。でも、正攻法でポイントを獲得できましたし、まだチャンピオン獲得のチャンスはあります。
舘 信秀
総監督
持ち込みの状態から、厳しそうな状況を見ているのは辛かった。そして、予選Q1のアタック終盤、最終コーナーでハーフスピン。これについてはプッシュした結果なので責めるつもりは一切ない。プロドライバーならトライしない方がダメだ。レースは、ピットスタート。どこまで順位を上げられるかと思っていたが、最終的に9位でフィニッシュした。これは素晴らしい結果だと評価している。チーム力で成し得た結果だ。可能性は低いがチャンピオン獲得のチャンスは残されている。最終戦では、予選でポールポジション、決勝で優勝だ。