SUPER FORMULA 2022 第9戦 レースレポート

カーナンバー 予選 決勝
#36 19位 21位
#37 2位 5位
開催
サーキット
鈴鹿サーキット(5.807km)
日時 10月29日(土) 10月29日(土)
来場者 6,800人 6,800人
天候 晴れ・ドライ 晴れ・ドライ
気温 17-18℃ 19-19℃
路面温度 24-26℃ 30-28℃

予選:レース内容

2022年シーズンの最終イベント、全日本スーパーフォミュラ選手権 第21回JAF鈴鹿グランプリは、約2ヶ月のインターバルを経て、鈴鹿サーキットにおいて第9戦、第10戦が行われた。土曜日に第9戦の予選と決勝をワンデーで行い、翌日の日曜日に同じフォーマットで第10戦が行われ、シーズン終了となる。第8戦を終了した時点でKuo VANTELIN TEAM TOM’Sの37号車、宮田莉朋はランキング5位、36号車のジュリアーノ・アレジは、ランキング20位。金曜日に練習走行を行い、土曜日の予選はじっくりとマシンセッティングを確認する間も無く、いきなりの予選アタック。宮田は、Q1でトップタイムを叩き出して、好調さをアピール。自己初のポールポジション獲得へ望みが出てきた。そしてQ2でもセクター3まではトップ。しかし、コントロールラインを通過した時に0.24秒差で2番手。アレジはQ1で敗退してしまい、19番手グリッドから決勝をスタートすることとなった。

●アレジはAグループ、宮田はBグループでQ1を走行。
●アレジは、ユーズドタイヤでコースインした後に1周してピットイン。ニュータイヤに交換して再びコースインし、アタック開始。前日の練習走行から1秒以上タイムを縮めてはいるが、Q2への進出を果たせる上位6位までに残ることができずに、この時点で予選を終了。
●宮田はユーズドタイヤで2周してからピットイン。ニュータイヤに交換してアタックに入った。セクター1で全体ベスト、続くセクター2でもベストタイムを叩き出してQ1Bグループのトップとなった。
●Q2へ向けて若干のセッティング変更を行って、ポールポジションを目指してコースイン。セッションの最初からニュータイヤを装着してタイヤをウォームアップ、3周目にアタックを行った。
●Q1と同じくセクター1でベスト、セクター3でもベストタイムを叩き出し、その時点ではポールポジション獲得は確実と見られたが、セクター4でわずかに伸びず2位となった。今シーズン3回目の2番手グリッド、フロントローから決勝をスタートする。

DriverCar No.Q1Q2
ジュリアーノ アレジ36P19 1’37.887
宮田 莉朋37P1 1’36.692P2 1’36.262

予選:ドライバー・エンジニアコメント

ジュリアーノ・アレジ

36号車ドライバー

昨日から風の向きが変わって、今日は逆の風向きになって、コンディションが変化した。セッティングを進めてもらって、マシンの状態は良くなっている。当然、タイムも向上しているけど、他のドライバーのような伸び幅ではなかった。予選のアタックラップでこれと言ってミスをしたわけでもなく、タイムの伸び代が少なかった。それがどうしてなのかが分からない。とてもトリッキーだった。グリッド後方からのスタートとなるが、上位陣の混乱があるかもしれないし、落ち着いて状況を見ながら、できる限り順位を上げる努力をする。

宮田 莉朋

37号車ドライバー

金曜日の練習走行は4番手で終えることができていたのですが、コースコンディションとのマッチングが今ひとつ把握できなかったというか、もっとセッティングが進められたのではないかと思っていたのですが…。Q1の結果を見ていただければ分かるように、調子はとても良くなって、ベストタイムを出せました。Q2に向けて少しセッティングを変更してもらい、その結果、良い部分、悪い部分はありましたが、ポールポジションに手が届くところまで来たのに、最後のシケインでタイムロスしてしまいました。ミスはしていないのですが遅かった。シケインでのタイムロスがなければ、初ポールを獲得できていたかと思います。

大立 健太

36号車エンジニア

金曜日の練習走行の状態では、まずまずの滑り出しを見せていたと思います。風の影響もあって、アンダーステアが強めであるという報告に対しては、しょうがない部分があると説明をしました。今日は風向きが逆になったこともあり、セッティングを変更する作業を行いましたが、走り出してアンダーステアは解消されていることが確認できました。Q1で思い描いていたタイムの伸びにつなげられずに予選を終えてしまいましたが、マシンは良い状態になってきており、莉朋のセッティングともかなり近いので、タイムが向上しなかった原因が何なのか、それがわからないです。決勝は後方からのスタートですがベストを尽くします。

小枝 正樹

37号車エンジニア

予選日のコンディションを予測してセッティングしたことが良い結果につながったと思っています。それがQ1のトップということになっているのですが、Q2に向けて若干リヤのセッティングを変えて、それが良い部分もあり、悪い部分もあったようですね。Q2のセクター1とセクター3でトップタイム、しかし、セクター2はトップになれなかった。そして、最後のセクター4でポールポジションの野尻選手からコンマ3秒ほど遅れてしまった。ミスをしてしまったわけではなく、遅かっただけという状況だった。彼にとって初のポールポジションが目前だったので、とても残念でした。

決勝:レース内容

予選が終了して4時間半後の14時30分から第9戦の決勝レースが行われた。雲一つない秋晴れ。素晴らしいコンディションで31周レースのスタートが切られた。フロントロー、セカンドグリッドからスタートを切った37号車の宮田莉朋は、スタートの動き出しは良かったが、1コーナーまでのスピードの伸びが悪く、1コーナーに進入した時にはポジションを二つ落としてしまっていた。一方の36号 車ジュリアーノ・アレジは、スタートで4ポジションアップすることに成功していた。宮田は、終盤まで引っ張ってからピットインする作戦で挽回を期待したが、ピット作業でタイムロス。レースに復帰した時に5番手となってしまった。4位の65号車とバトルを展開したが、そのままフィニッシュ。アレジは序盤でコースオフしてしまって順位を落とし、21位でレースを終えた。

●宮田は、スタート後の加速が悪く、4位まで順位を落としてしまった。
●アレジは、1周目に17番手まで順位を上げてホームストレートに帰ってきた。しかし、4周目の1コーナーでコースオフしてしまい、20位までポジションダウンしてしまった。
●上位陣が早めのピットイン作戦をとる中、宮田は12周目からトップに立ち25周を終了してピットインするまで2位以下とのギャップを築きながらラップを重ねた。
●ピットイン後、アウトラップをうまくまとめれば、表彰台に立てる可能性があったが、ピット作業で左リヤタイヤの交換に手間取ってしまいタイムロス。
●レースに復帰して65号車の大湯選手との4位争いを展開、1コーナーの進入からS字コーナーまでサイド・バイ・サイドのバトルを続けたが、パスするまでには至らなかった。
●アレジは、序盤の順位ダウンが最後まで響き、挽回できずにレースを終えた。

DriverCar No.Race / Fastest Lap
ジュリアーノ アレジ36P21/1’41.137
宮田 莉朋37P5 / 1’40.094

決勝:ドライバー・エンジニアコメント

ジュリアーノ・アレジ

36号車ドライバー

グリッドのアウト側は、スタート直後はスペースが広く、加速も悪くなかったのでうまくポジションをアップすることができた。しかし、タイヤはウォームアップされてもグリップ感がすごく薄くて、マシンはどこでも大きくスライドしてしまう状態だった。1コーナーに進入してコースに留まることができずにコースオフしてしまった。すぐにレースに復帰することはできたけど、順位を落としてしまった。その後もスライドは治らず、ピットインしてタイヤ交換を行ってもスライドの症状は変わらなくて、最後まで苦しい走行が続いた。明日は最終戦。今日とは違う展開にするためにも頑張って、今シーズンを締めくくりたい。

宮田 莉朋

37号車ドライバー

グリッドのイン側は日陰で、アウト側は日当たりが良かったので、路面温度の違いはあったと思います。どれほどの影響があったかはデータで分析しないと分からないですが、スタートの反応は悪くなくても、加速が悪くて順位を落としてしまいました。作戦は終盤まで引っ張って、ピットイン後に最終ラップまでタイヤのパフォーマンスが落ちないようにラスト6周でピットイン。そこまでのペースは悪くなく、スタートで順位を落としてしまいましたが、レースの流れは悪くなかったですね。明日は最後のレースですから、笑って終えられるような予選、決勝にしたいと思っています。

大立 健太

36号車エンジニア

スタートは良かったのですが、順位を落として帰ってきたので、確かめてみるとコースオフしてしまったとのことでした。マシンをコースに留めるのも苦労するほどにスライドしてしまって、レースの序盤からとても苦しい状況だったようです。データロガーでチェックしてみて、その原因がどこにあるのかを分析したいと思います。明日も今日と同じく予選と決勝がワンデーのフォーマットで、慌ただしい一日となりますが、今日から改善できることを行なって、できるだけ順位を上げてフィニッシュできる努力をします。

小枝 正樹

37号車エンジニア

ホイールスピンが多かったわけでもないのに順位を落としてしまった原因は、データで分析したいと思います。順位を落としてしまいましたが、レース中のペースは良かったと思います。特に上位のマシンが早めにピットインして莉朋がトップを走っていた時は、安定して速かったので、順位は挽回できると考えていました。しかし、ピット作業で手間取って大きくタイムロスしてしまって申し訳なかったです。スタートのポジションまで戻せるかなという思いは、そこで終わってしまいましたね。明日もう一戦あるので、優勝を目指して、予選から頑張って行きたいと思っています。

舘 信秀

チーム監督

今回、宮田莉朋は、シーズン3回目のセカンドグリッドから優勝を目指したわけだけど、スタートでそれは難しくなってしまった。それでもレース中のペースは悪くなかったと思うので表彰台には立てるだろうと思っていたけど、ピットのタイムロスでその可能性も消えてしまった。この最終イベントで若き莉朋の頑張りにチームが応えてやれなかった。ジュリアーノ・アレジは、予選から歯車が噛み合わなかった。後方から順位アップを望んだが、それも叶わなかった。明日はシーズン最後、最終戦、第10戦は明るい気分で今年を終えられたらと期待している。

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