SUPER FORMULA LIGHTS #1,#37 第4/5/6戦 レースレポート

開催サーキット 鈴鹿サーキット(5.807km)
日時 4月23日(金) 4/24-25(土/日)
来場者 来場者数未発表 7,000/9,500名
天候 曇り時々晴れ・ドライ 曇り・ドライ/曇り・ドライ /晴れ・ドライ
気温 19-18℃ 19-18℃ / 21-21℃/ 19-19℃
路面温度 28-25℃ 28-27℃/ 31-34℃/27-27 ℃

予選:レース内容

例年開幕戦の舞台となる鈴鹿サーキットは、今シーズン第2戦にスケジュールされた。予選日を迎えるまで初夏を思わせる暖かさだったが、一気に気温が下がり、時折強い風が吹きドライバーたちを混乱させる状況となってしまった。グリッドの上位ポジションを獲得するには1分51秒台に突入することが必至だった。トムスの3ドライバーは、練習日からのコンディションの違いに戸惑いながらも、小高一斗の代役でステアリングを握る野中誠太が第4戦のフロントロー2番手グリッドをゲット。ジュリアーノ・アレジが第5戦の3番手グリッドからスタートすることとなった。平良 響は、51秒台に突入することはできなかったが、第5戦の2列目、4番手から表彰台を目指してスタートを切ることとなった。第6戦は第4戦の結果順のグリッドでスタートする。

●通常土曜日に行われる予選だが、今回は金曜日午後4時45分から30分間のスケジュールで行われた。
●このセッションのベストタイムが第4戦。セカンドベストタイムが第5戦のスターティンググリッドを決する。
●予選開始前に2輪の走行が2セッションあり、それによってコースのコンディションが変化するため、それにセッティング、ドライビングを合わせなくてはならない難しい予選となった。
●1分51秒台の勝負となる予選で、トムスの3台は1セット目のタイヤでは52秒台に留まる状況だった。
●セッション半ばでピットインし、2セット目のタイヤを装着。適切なセッティングに変更の後、タイムアップを目指し再びコースイン。
●コースインしてから3周目に野中が51秒台に突入。このタイムで第4戦のセカンドグリッドを奪取。アレジは、4周目に同じく51秒台へ入り4番手グリッド、平良は51秒台に入ることはできなかったが、5番手となった。
●野中はタイム更新を狙ったが、デグナーカーブでコースオフ、タイムアップならず。アレジ、平良もタイムを更新できず予選を終えた。

DriverCar No.Qualifying for 1Qualifying for 2
野中
誠太
1P2 1’51.914P7 1’52.903
平良
37P5 1’52.241P4 1’52.336

予選:ドライバー・エンジニアコメント

野中 誠太

1号車ドライバー

 マシンのポテンシャルを生かしきれなかった。自分の技量が足りなくて、各セットで一発だけしかタイムを出すことができなかったです。特に2セット目では、十分にトップを狙える状況で、ペースも良かったのにそれができなかった。良いところもあり、悪いところもありという予選でした。1セット目も2セット目も連続してアタックしていたのですが、ともにデグナーカーブの二つ目でコースアウトしてしまい、タイムロスをしています。欲をかきすぎてしまいました。今回、練習走行の段階からそのデグナーがうまくクリアできなくて、ベストタイムを出した時にはなんとかはみ出さずに済んだのですが、もう一回プッシュしようとしたらダメでした。2セット目ではマシンをもう少し曲がる方向にセッティングを変えてもらっています。別物という感じで良くなり、これはタイムが出せるぞという感触でした。エンジニアさんの実力に、ボクはドライビングをアジャストするだけでした。開幕の富士スピードウエイの内容が良くなかったので、それを改善して決勝に臨みたいと思います。スタート練習もとても上手くできたので、まずは第4戦でスタートを決めたいです。

平良 響

37号車ドライバー

2セット目のタイヤでなんとかまとめてタイムを出せたのですが、上位とも差がありダメでしたね。自分の力がまだまだ足りない状況で終わってしまった予選でした。1セット目のタイヤでコースインしたら、ものすごく感触が悪くて、練習の状況とはかなり違っていたので、2セット目は大きくセッティングを変えていただきましたが、まだ足りなくて、最初はアンダーステアが強くて、セットを変更してもまだアンダーステア状態でそれに対応しきれなくて予選が終わってしまいました。S字コーナーでのドライビングがとても難しかったです。予選中、路面のコンディションが変化して行きましたが、それに合わせきれなかったと思います。前戦の富士でも同じように、予選中に路面コンディションが好転して行くのを感じたので、タイムを上げていかなければならなかったのに、そういうところも大きな課題ですね。自分の置かれている状況は厳しいですね、本当に厳しいです。まだまだ勉強が足りませんね。

吉武 聡

チーフエンジニア

前日から大きくコンディションが変わり、その変化に合わせきれたドライバーが前に出たという感じですね。野中とアレジがなんとか51秒台のタイムを出し、その前にライバル2台のマシンが居るという状況は前戦の富士と状況は変わりませんね。気温の変化、寒さ、そして風が時折強くなって、それにどう合わせるか、皆が四苦八苦していました。野中は51秒台に入ることができたのですが、平良が52秒台に留まってしまいました。木曜日の走り出しではトップグループの速さがあったのですが、予選日、金曜日の朝からオーバーステア傾向が強くなってしまい、それが最後まで尾を引いてしまいました。修正しきれなかったのは申し訳なかったと思っています。セッティングを変えても足りなかった。その原因は何なのか究明できていません。

山田 淳

監督

3人ともに練習走行では調子が良くて、とても気分を良くしていたのですが、予選直前の練習走行から一気にコンディションが変化してしまって、状況が一変してしまいました。アレジには期待が大きかったのですが、残念でした。コースコンディションの変化も大きく、そして、嫌がらせのような強風が時折吹くという状況でした。今回の予選で一番大きなライバルはコンディションの変化だったかもしれませんね。野中が第4戦のフロントローを獲得できていますが、ポールポジションからのタイム差は大きいです。野中以下、51秒台で団子状態です。セクター毎にばらつきがあるので、それをどれだけベストベストでつなげられるかどうかでポジションは一気に上がります。うちの3人もセクター単位では、かなり良いタイムをマークしているのに、それを1周まとめきれていない。それが、予選の結果となっています。

決勝:レース内容

今シーズン、日本に腰を据えてSUPER FORMULA LIGHTSシリーズを中心に参戦するジュリアーノ・アレジが鈴鹿サーキットで行われた第4、5、6戦で2位、3位、2位と全てで表彰台に立つという活躍を見せた。アレジは、世界耐久選手権に出場のため欠場している中嶋一貴の代役としてSUPER FORMULAにも出場、週末に4つの決勝に出走した。今回も小高一斗の代役で出場の野中誠太は第4戦で3位を得て今シーズン2回目の表彰台に立った。予選の段階からクルマのオーバーステア状況に悩んでいた平良 響は、第6戦で一気にペースアップ。それまでとは別人のような速さでトップグループに迫る走りを見せた。終盤では、チームメイトのアレジに迫り、初の3位表彰台をゲットした。

●第4戦でフロントローからスタートした野中は、スタートを失敗してしまい順位を落としてしまった。3位を走行中にデグナーカーブでコースオフし、4位まで下がった。最終周に2位のマシンがリタイヤをしたため、3位フィニッシュを果たした。●野中は第5戦、スタートで一気に順位を上げ、ポジションをキープしたまま5位フィニッシュ。第6戦はスタートに失敗してしまい、レース中もなかなかペースを上げられず7位で終えた。
●アレジは、第4、5戦で順位アップし、第4戦では前のマシンがリタイヤしたこともあって2位フィニッシュ。第6戦はフロントロースタートの順位をキープし、トップを行くマシンと互角のペースでラップを重ねて2位フィニッシュ。今回の決勝すべてで表彰台に立った。
●平良は第4、5戦で順位を落とす苦しい展開だったが、最終の第6戦に大きくマシンセッティングを変更して臨んだ。
●その変更が功を奏し、かつ積極的な展開で前を行くアレジとの差を1秒以内に縮め3位を獲得、初の表彰台に立った。

DriverCar No.Rd.4 / Fastest LapRd.5 / Fastest LapRd.6 / Fastest Lap
野中
誠太
1P3/1’53.188P5/1’53.886P7/1’54.174
平良
37P5/1’53.825P4/1’53.583P3/1’53.560

決勝:ドライバー・エンジニアコメント

野中 誠太

1号車ドライバー

予選ではなんとかタイムを出すことができていると思うのですが、決勝になるとSUPER FORMULA LIGHTSの高いダウンフォースとスピードに自分のフィジカルもメンタルもついていけてなくて、予選のように一発だと良いのですが、決勝でペースを保って走り続けるには自分の実力がついていっていないというのが現状ですね。予選は良くても決勝でこのように順位を落としてしまうと何の意味もなくなってしまうので、この問題を解決しなくてはならないですね。予選から決勝に結果をうまく繋げられるように、自分の中で何とかしなくてはならないと思います。また、チャンスをいただけた時に結果を出さなければなりませんね。正直、マシンの問題でタイムアップできないのではなくて、自分のドライビングの問題ですよね。コンディションの変化、タイヤグリップの変化をちゃんと感じ取れていないことでペースを上げられていない。原因は明らかなので、実際にマシンに乗っていない時間でそれを改善しなくてはならないと思います。

平良 響

37号車ドライバー

第6戦は、それまでの2レースとは別物のように乗りやすくなって、コンディションにもマッチしてペースも良かったです。第5戦から第6戦にマシンのセットアップを大きく変えていただいたのですが、どうしたら良くなるのかということを覚えておいて、今後、ハンドリングが悪くなった時にちゃんと対処できるようにしなくてはならないと勉強になりました。予選とその後にセッティングを悪い方向に進めてしまっていたことがはっきりとわかったので、第6戦の結果は大きな収穫がありました。そして初表彰台、3位を獲得できました。良かったです。ドライビングとメンタルの部分でレース中に順位を落としてしまうのは自分の問題なので、今後ドライバーとしてそれをなくしていかないとならないですね。第6戦では目の前にアレジ選手のマシンが居たので、これをパスしようとアドレナリンも出て、だから全く疲れなかった。接近するとダウンフォースが抜けるので、その状況でどう走れば良いかも学ぶことができました。この経験を今後のレースで活かしていきたいと思います。予選結果から考えると3位になれたのは、大きな前進だったと思います。

吉武 聡

チーフエンジニア

まず平良ですが、マシンのセッティングで完全に迷走していたので、一気にセットアップを振り出しに戻して、コンディションの変化に伴ってアジャストを加えていったところ、第6戦のような走りと結果になりました。木曜日、金曜日の練習走行で行ってきたセッティングがどんどん悪い方向へ進んでいってしまっていたのを元に戻したという流れですね。苦しんでいたアンダーステアもなくなって、第6戦にはニュータイヤを装着していたので、最初からペースも良く、前のアレジについていくことができて、抜けるかなと期待しましたが、3位という結果でした。野中は、スタートは悪くなかったですけれど、どんどんと抜かれて順位を下げる展開で週末は終わってしまいました。決勝のペースが上げられなかったというのが問題でしたね。野中も平良も速さはあるのですが、セットアップしていく段階でマシンの状況を表現するコメント力やセットアップ能力がまだまだ足りない部分であって、正しいセットアップができていない状況です。それを高めていくことが課題ですね。

山田 淳

監督

まずアレジですが、3戦ともに表彰台に立っていますが、その中で第4戦から第5戦、そして第6戦とトップとのタイム差が縮まってきています。レースペースも最後のレースではコンマ何秒差で周回できていたので、この週末で彼は成長しました。しかし、それで満足はしていません。少なくとも第6戦のような状態で週末を始めてもらわないとならない。そうしなければいつまで立っても優勝はできませんね。平良も第6戦で頑張りを見せましたけど、課題が沢山ありますね。FIA F4で何を学んできたのか。厳しい表現になりますが、ドライビングもマシンの状態を表すコメント力もまだまだです。第6戦の3位はガレージから持ち込んだ状態に戻しただけのマシンで得られたので、そこに至る途中で迷子になってしまっていた。アレジと同じく最後の状態からこの週末が始められていたら、優勝は無理としても2位にはなれていたでしょう。野中は予選で速さを見せることができているので、可能性としては彼の方が良いのかなと思っていますが、予選でニュータイヤを装着してタイムが出せているので、それを決勝の中でいかにうまく使えば良いかを学んでくれればと思います。

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