SUPER FORMULA LIGHTS #36 第7/8戦 レースレポート
開催サーキット | オートポリス(4.674km) | |
日時 | 5月14日(金) | 5/15-16(土/日) |
来場者 | 来場者数未発表 | 1,800/2,930名 |
天候 | 曇り時々晴れ・ドライ | 雨・ウエット |
気温 | 21-21℃ | 18-18℃ / 21-21℃ |
路面温度 | 28-27℃ | 19-19℃/ 21-22℃ |
予選:レース内容
記録的な早さで梅雨入りとなった九州。朝から断続的に強い雨が降る土曜日に予定されていた予選と第7戦の決勝は、大幅にスケジュール変更が行われた。土曜日の午前中に予選、そして午後に第7戦の決勝が行われる予定だったが、悪天候のため、結果的に土曜日の予選は行うことができず、金曜日に行われた合同テストの結果によって、第7戦と第8戦のスターティンググリッドを決することとなった。野中誠太が第7戦の3番手グリッド、第8戦の6番手グリッド。ジュリアーノ・アレジがベストタイムで4番手だったが、練習中にエンジン交換しており、5グリッドを降格され9番手。第8戦は4番手。平良 響が6番手、7番手のグリッドから決勝をスタートすることとなった。
●金曜日合同テストの気温は20度を超え、路面温度も高めのコンディションだった。
●アレジは、木曜日の練習走行後にでエンジントラブルに見舞われ、エンジンを交換した。また、金曜日第1回目の練習走行でコースオフして、修復に時間を要したため、2回目には出走できなかった。
●平良は第2回目の練習走行でコースオフして、マシンセッティングを詰められないまま第3回目の練習走行に臨んだ。
●野中は、2セット目のタイヤを装着した後で3周目、4周目にアタックした。
●アレジは、1セット目のタイヤでセカンドベストタイムを記録。2セット目のタイヤで野中に次ぐタイムをマークしたが、エンジン交換によって5グリッド降格して9番手から第7戦をスタート。
●平良も2セット目のタイヤで3、4、5周目に連続して1分38秒台のタイムを記録した。
Driver | Car No. | Grid for Rd.7 | Grid for Rd.8 |
ジュリアーノ・ アレジ | 36 | P4 1’37.880 ※ | P4 1’38.269 |
予選:ドライバー・エンジニアコメント
ジュリアーノ・アレジ
36号車ドライバー
オートポリスは初めてのコース。事前にシミュレーターとオンボードの映像で勉強して乗り込んだ。もちろんもっと良いタイムを出したかったけれど、トラックコンディションが目まぐるしく変わって、それにマシンのバランスを合わせるのが大変な作業だった。バランスは良くなっていったけれど、タイム的にはあまり伸びなかった。セカンドベストタイムを1セット目のタイヤでマークしているので、バランスは最初から良かったし、2セット目に向けてセッティングを大きく変えることもなかった。タイム的には4番手だったけれど、エンジン交換をしているので5グリッド後ろからスタートすることになる。木曜日の練習走行を終えて、エンジンが壊れたという感じはなかったけれど、チェックしたら問題があったみたいで交換となった。そのまま練習走行を続けていたら完全に壊れていたかもしれないので、交換は正しい判断だったと思う。決勝は雨なので、いろいろなことが起こるだろうから、できる限りのパフォーマンスで順位を上げることを考えている。
加藤 翔平
36号車エンジニア
走り出しの木曜日の走行を終えてエンジンのチェックをしたところ、異常な信号を確認したので交換しました。金曜日の第1回目の走行は好調だったのですが、クラッシュしてしまって予想外に交換部品の点数が多く、2回目は出走できませんでした。よって、3回目の練習走行へ向けて十分にセッティングを進められないまま走行していましたが、特に問題がないというコメントだったので、そのまま走行しました。2回目の練習走行で少しでも走行できていたら、もう少しタイムアップは可能だったかもしれません。トップタイムのマシンと比較して第3セクターのタイムが遅かったので、その点を改善できるようなアジャストは行ってコースインしていきました。
吉武 聡
チーフエンジニア
木曜日からの練習走行があり、そこで平良がコースオフしてしまい、また金曜日に入って2回目の練習走行でもコースオフしていて、3回目の練習走行直前までマシンを修理していたので、セッティングが詰めきれていない状況でした。野中は、コースオフすることもなく順調にセットアップを進められていたので、結果的にベストタイムで第7戦の3番手のスターティンググリッドを得られました。ジュリアーノは、4番手だったのですが、エンジン交換による5グリッド降格。平良に関しては、セッティングが決まっていないということもありますが、1周をきちんとまとめきるということが必要です。セクター毎には速いものがありますので、セクターのベストをまとめれば良いラップタイムになるのですが、それを繋げることができない、まとめきれない状況です。
山田 淳
監督
今回の大会は大幅にスケジュールが変更されました。予選が行われる時間帯は悪天候で走行に危険性があったので予選は中止され、グリッドは金曜日の最終練習時のタイムが採用されました。TOM‘Sの3台のうち2台が練習走行中にコースオフ、クラッシュによって十分なセットアップを進めることができない状況でしたが、セットアップを進められた野中が3番手となっています。平良はここでも少し苦戦していますね。そして、ジュリアーノは第3セクターがトップのマシンと比較すると、そこだけで0.8秒ほど遅い。コーナーの数が多いセクターなので、各コーナーのボトムスピードを上げる努力が必要です。
決勝:レース内容
第7戦の決勝は、土曜日の午後に予定されていたが、荒天が予想されたために、予選を予定していた時間帯に行うこととなった。すでに雨量は多く、セーフティーカーの先導によってスタートが切られ、セーフティーカーランは3周が終了するまで続き、4周目からレースが開始された。スタート直前にトップの車両がコースオフ、ストップ。代わってトップに立ったマシンもコースオフして再びセーフティーカーが導入された。再スタート直前に野中誠太がコースオフしてストップ。スタート後2度目のセーフティーカーが導入され最大時間の30分経過してチェッカードフラッグが振り下ろされた。日曜日はサーキットが霧に包まれたためにスケジュールが変更され、第9戦は延期、第8戦のスタートは第9戦のスタート時刻に移され、セーフティーカースタートで8周まで引っ張り、その後レースが開始された。その時点で最大時間の30分まで残り3分。10周してレース終了。アレジが2戦連続で2位フィニッシュを果たした。
●第7戦でアレジはレース開始とともに6位へポジションアップ。2度目のセーフティーカーラン前に一気に2位へポジションアップした。
●野中は、第7戦のレース開始とともに上位陣のコースオフで2位へ上がった。しかし、セーフティーカーが入って再スタートの直前にコースオフしてストップ、そのままリタイヤしてしまった。
●平良も上位陣の後退、野中のリタイヤで順位アップしたが、アレジにパスされて4位フィニッシュ。
●第8戦は、レーススタート前にスリックタイヤをチョイスしたマシンがピットインしたことによりアレジは3位へ。レースがスタートしてもう一台スリックタイヤで走行していたマシンが後退し、2位へポジションアップしてフィニッシュ。また、ファステストラップも記録した。
●野中と平良は4位争いを展開。
●平良が野中をパスしようとして2台は一度接触。最終周に平良は、再びチャレンジして野中をパス。平良4位、野中5位でフィニッシュした。
Driver | Car No. | Rd.7 / Fastest Lap | Rd.8 / Fastest Lap | ー |
ジュリアーノ・ アレジ | 36 | P2/2’08.577 | P2/1’57.992 | ー |
決勝:ドライバー・エンジニアコメント
ジュリアーノ・アレジ
36号車ドライバー
マシンの状態がとても良かったので自信があった。ウエットコンディションにも自信があったので、順位アップできると思っていた。だからセーフティーカーラン後のリスタートで順位をアップすることができた。自信はあったけれど、無理することはなかった。もし無理して、リスクを犯してレースを台無しにしてしまうことだけはやってはいけないと思っていた。連続して表彰台に立つことはできたけれど、勝つことはできなかった。次は予選からポールポジションを狙って、決勝では優勝できるように頑張ります。
加藤 翔平
36号車エンジニア
第7戦は最後列からのスタートだったので、コースにとどまり、無理せず、落ち着いて順位アップしていこうと伝えました。上位陣が次々にコースオフした状況もありましたけれど、2位でフィニッシュできました。第8戦はスタート前、エンジニアリングサイドとしては、スリックタイヤのチョイスも考えました。山田監督もスリックタイヤが良いかもしれないと言っていたのですが、ジュリアーノ自身がレインタイヤを選択したので彼の意見を尊重しました。結果として雨が降ってきて、レインタイヤのチョイスは正しかった。彼は開幕の富士でダンプコンディションを経験しているのですが、完全なウエットは初めてでした。コースオフすることなくフィニッシュして連続の2位となりました。どうやら雨は得意なようですね。次戦の菅生も初めてのコースです。シミュレーターがないので、走り出しが重要になってきますね。
吉武 聡
チーフエンジニア
野中、平良ともにウエットコンディションのレースは初めての経験でした。これまで経験してきたカテゴリーでもウエットコンディションはなかったらしいです。初経験にしては、ペースは悪くはなかったと思います。特に第8戦の平良は、ジュリアーノと同等のペースで走行できていたし、野中とのバトルで一回は後退しても再度チャレンジしてパスしています。これは彼にとって大きな自信になったのではないでしょうか。野中は第7戦でコースオフしてレースを終えてしまっているのですが、帰ってきたマシンのタイヤをチェックしてみると、タイヤに十分熱が入った形跡がなく、トレッド表面がグリップを発動できていない状況が見て取れました。第8戦では少し改善されていたようですが、今後もウエットのコンディションでは、もっとタイヤに熱を入れる必要があります。
山田 淳
監督
第7戦、第8戦共に30分間のタイムレースとなりました。ジュリアーノが両レースで2位に入ってくれました。今回も中嶋一貴の代役で、SUPER FORMULAとのダブルエントリーの状況でありますが、第7戦の前にSUPER FORMULAのフリー走行があり、ウエットのコースを走ることができていたのがプラスメリットだったことは事実でしょう。そして、無理せずにコース上に留まって、順位を上げてくれました。野中と平良は、4輪レースで初めてウエットコンディションを経験することとなり、第7戦で野中がコースオフしてリタイヤという洗礼を受けましたね。平良は両レースでフィニッシュこそしましたが、上位陣とのタイム差はまだまだありますし、もっと経験を積んで、多くのことを学んでもらわなくてはなりませんね。