SUPER FORMULA LIGHTS #36 第13/14/9戦 レースレポート

開催サーキット ツインリンクもてぎ(4.801km)
日時 8月28日(土) 8月28-29日 (日)
来場者 3,400名 3,400名/4,400名
天候 晴れ・ドライ 曇り・ドライ/曇り・ドライ/曇り・ドライ
気温 34-34℃ 33-32℃ / 27-29℃ / 28-28℃
路面温度 50-50℃ 43-42℃/ 31-36℃/ 35-35℃

予選:レース内容

今回の第5大会は、当初第13戦、14戦の2レース制フォーマットだったが、5月のオートポリスで悪天候のため中止となった第9戦を行うことになる。厳しい残暑の予選日。木曜日からタイムが伸び悩んでいたが、予選に向けてマシンのセットアップと高温の路面に対応するドライビングを行った結果、ジュリアーノ・アレジが2番手タイムを叩き出す健闘を見せた。そして、野中誠太もタイムアップに成功し、13戦が6番手、第14戦は4番手のグリッドを確保することができた。今回、平良 響は欠場。二人のドライバーが優勝を目指して決勝に臨んだ。

●午前11時から30分間行われた予選は、猛暑日一歩手前、気温34℃、路面温度は50℃に達していた。

●セッションのベストタイムで第13戦、セカンドベストタイムで第14戦の決勝グリッドを決する。

●1セット目のタイヤでまず最初のアタックにコースインした2台は、1分46秒台のタイムを記録。この時点でアレジ2番手、野中は3番手に位置していた。。

●マシンのセットアップを若干アジャストして、2セット目のタイヤを装着、路面のラバーグリップが向上したコースへ、残り時間9分でポールポジションを目指しピットを後にした。

●タイヤのウォームアップを終えて、共に1分45秒台に突入。

●アレジは45秒5、続いて45秒3をマークして2レース共にセカンドグリッドを獲得した。野中は6番手、4番手のグリッドを得た。

●第9戦のグリッドは、第13戦決勝順位によって決定される。

DriverCar No.Qualifying for 13Qualifying for 14
ジュリアーノ・
アレジ
36P2 1’45.382P2 1’45.535
                                     

予選:ドライバー・エンジニアコメント

ジュリアーノ・アレジ

36号車ドライバー

予選前の練習走行から、タイヤのウォームアップと予選のタイムアタックについてよく考えていました。タイヤのピークグリップとアタックのラップをマッチさせることを意識して予選に臨み、結果としてそれがうまくできたのかなと思いましたが、ポールポジションは獲得できなかった。もう一度データを見ながら分析してみたいと思っています。マシンのセットアップはチームが素晴らしい状態にしてくれたので、全く問題はないし、タイヤのウォームアップもクイックに温度を上げることができた。そしてドライビングで対応してタイムを出すことに集中した。チームの努力と自分の頑張りが一つになって、両レースのフロントローを獲得できた。あとは、スタートでなんとか前に出て優勝することができれば最高です。

加藤 翔平

36号車エンジニア

路面温度が高い今回は、彼が思っていた以上にタイヤのウォームアップが早かったので、タイヤグリップのピークを活かすことができず、練習走行でのタイムは伸び悩んでいました。ニュータイヤを装着して、以前のような感覚でタイムを出しに行くと、タイヤのピークはすでに過ぎていたという状況でした。今回もジュリアーノはスーパーフォーミュラ(SF)とダブルエントリーで、SFの練習走行の後にライツの予選でした。SFのタイヤの温まりなどの感覚を得て、ドライビングも変えてアタックしたところ、それが功を奏したのか、タイムアップしてくれました。ポールポジションは獲得できませんでしたが、フロントローからスタートできるので、スタートを決められれば、勝てるのではと期待しています。

吉武 聡

チーフエンジニア

今回のもてぎは路面温度が高いので、その状況下でタイヤグリップのピークを見極め、タイムを出すということが重要です。金曜日最後の練習走行で、野中はうまくまとめて2番手タイムを叩き出してくれました。この流れで行けば、かなり良い予選結果が出るのではないかと期待していました。予選でも路面温度は高温で、練習走行時と近いコンディションでした。しかし、今ひとつタイムが伸びなかった。このコンディションなら、ウォームアップしてアタックを開始したら、2周目にグリップのピークが来るのですが、そこをうまく使えなかった。1セット目の走行を終えて、コンディションに対応してセットアップを変更していますが、それ以上にドライビングで対応してもらうことで、タイムは上昇できると思っています。次の大会も同じもてぎなので、活かしてもらいたいですね。第14戦は4番手からのスタートですから、表彰台をゲットしてもらいたいと思います。

山田 淳

監督

今回の肝どころは、高温の路面に対応すること。タイヤグリップのピークを活かすこと。それに尽きますね。野中は、金曜日にそれができたと思っていたのですが、予選になったら、それがうまくいかなかった。マシンのセットアップ云々以前に、状況、コンディションに合わせてドライビングを変えるというところを学んで欲しいと思います。ジュリアーノは、SFでも走行したことで、より細かなデータをチェックすることができて、タイヤグリップのピークとタイムアップを確認することができましたね。それらをしっかりとドライビングに反映させることで、彼のドライビングはさらに向上していくと思います。

決勝:レース内容

シリーズ5大会目の3レース。36号車を駆るジュリアーノ・アレジは、全てのレースで表彰台に立った。アレジは、今回もスーパーフォーミュラとのダブルエントリー。初戦の第13戦ではスタートで出遅れ、そこで順位を落としてしまったが、その後の2戦は、順位をキープ、また順位アップして連続2位となった。1号車の野中誠太は、全てのレースでスタートが決まり、順位アップすることができたが、第14戦では1周目にポジションダウン。そして、第9戦では一気に3番手にジャンプアップして、久しぶりの表彰台に立つことができた。アレジは、ランキング2位、野中は6位で6大会目、同じくツインリンクもてぎで行われるシリーズ最終大会に臨むことになった。

●アレジは第13戦のスタートでクラッチミートをミス、順位を一つ下げてしまった。ダブルエントリーのスーパーフォーミュラとではクラッチミートの感覚が異なり、戸惑ってしまった結果だった。

●一方の野中はスタートで順位アップ。5番手に順位を一つ上げて、そのままフィニッシュした。

●第14戦でアレジは、スタートのクラッチミートのミスを修正してポジションをキープして2位フィニッシュ。野中は、再び抜群のスタートを切り、一時は3番手まで上がったが、3コーナーと5コーナーでひとつずつポジションを下げてしまい、5位フィニッシュとなった。

●第9戦でアレジ、野中共にスタートでポジションアップ。

●アレジはレース中で全体ベストタイムを叩き出しながら、トップのマシンに迫ったが2位フィニッシュ。

●野中はアレジに匹敵するラップタイムを刻みながら順位をキープ。そのまま周回を重ねて今季3度目の3位フィニッシュ。

DriverCar No.Rd.13 / Fastest LapRd.14 / Fastest LapRd.9 / Fastest Lap
ジュリアーノ・
アレジ
36P3/1’46.349P2/1’45.274P2/1’45.742

決勝:ドライバー・エンジニアコメント

ジュリアーノ・アレジ

36号車ドライバー

全部のレースで表彰台に立つことができたけど、優勝することはできなかった。残念です。毎レースとても素晴らしいマシンを用意してくれるチームにとても感謝しています。一回スタートでミスしてしまったけど、その他はちゃんとスタートできた。優勝した佐藤選手はとても速かった。差を詰めて行ってもまた離されてしまって、抜くことができなかった。まだ速さが少し足りないかな。ランキング2位?これまで1回しか勝っていないから、もっと勝たないとダメですね。勝てば、チャンピオンになれるかな。まずは、予選でポールを取って、それで勝つこと、それが重要。もっとドライビングを勉強して、勝てるようになって、それでチャンピオンになれれば良いと思います。サポートしてくれるチーム、エンジニア、そして応援してくれる皆さんのために、もっと速く走れるように頑張ります。

加藤 翔平

36号車エンジニア

最初の第13戦は、スタートでミスしてしまったのですが、その他はちゃんとスタートできました。第13戦で結果がもっと良かったら、第9戦は勝てたのかと思ったのですが、今回は佐藤選手が三連勝して、彼にはちょっと届かなかったですね。第9戦ではジュリアーノが差を詰めると佐藤選手はもう一段階ギアを上げるようにペースアップしたので、テクニックを持っている選手だなと感心して見ていましたが、なんとか追いつけるようにエンジニアリングの部分でも頑張らないといけませんね。スーパーフォーミュラとのダブルエントリーだと、先にスーパーフォーミュラに乗ってから、スーパーフォーミュラライツに乗るので、どうしても感覚が異なってしまい、スタートでミスしてしまったりします。逆だと良いのですが・・・。3レースともにマシンのバランスは良かったとコメントをもらっています。最終レースでは少し車高を変えて、それが良い結果につながりましたが、優勝までには至らなかったです。

吉武 聡

チーフエンジニア

野中の第9戦は、とても良いレースをしてくれました。スタートで前に出て、そこからのペースもとても良かったですね。このようなレースが毎回できるようになると、結果もついてくると思います。第14戦は、スタートは良かったのに、ポンポンと抜かれてしまった。5コーナーでは<お先にどうぞ>みたいな状況でした。あれはダメですよね。しっかりと押さえ込んでいたら抜かれることはなかった。レース前にブロックして抑えることも重要だと言っておいたのですが、それができなかった。甘さ、優しさが出てしまったのですかね。それでは順位を上げることはできませんね。第9戦では、ちゃんとラインを抑えて順位を守ったし、レース中には、セクター2が他のドライバーよりも遅かったので連絡したら、修正してタイムアップしてくれました。指示するとタイムアップできるようになってくれたので、大きな成長、収穫だと判断しています。これで、もう一歩ステップアップできたのではないかなと思います。

山田 淳

監督

ジュリアーノは、レースを重ねるごとに順調に成長しています。初戦はスーパーフォーミュラとのクラッチミートの違いによってポジションを下げてしまいましたが、以降はちゃんと修正してスタートを決めています。そして、何といってもスーパーフォーミュラとスーパーフォーミュラライツの両方をドライブしても大丈夫という、ずば抜けた体力の持ち主であることに驚かされます。これは、彼の武器でもあると思います。今回野中選手は、最後の第9戦で今シーズン最高のドライブとレース展開を見せてくれました。スタートにはもう自信を持ったでしょうし、第9戦はトップのマシンと同等のラップタイムで走行できました。成長の度合いがはっきりと確認できました。今回のレースをきっかけにもっと速くなって欲しいですね。

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